2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K04272
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
種橋 征子 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (00760729)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経営理念 / 理念浸透 / 介護老人福祉施設 / 介護職員 / 地域密着型介護施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護福祉施設における介護職員の離職を防ぐ手立てを構築するために、小規模介護施設である地域密着型介護施設と大規模介護施設である介護老人福祉施設の管理職、リーダークラス職員、一般介護職員という三職位の職員を対象に、理念に対する認識等についてインタビュー調査及び、質問紙調査を実施し、介護福祉施設における理念浸透の実態とその阻害要因を明らかにすることを目的とした研究である。 研究期間の4年目である昨年度は、2年目の平成30年に実施した社会福祉法人2法人の介護老人福祉施設における管理職(3名)、リーダークラス職員(5名)、一般介護職員(6名)の計14名に対する自身の理念に対する認識や理念を反映した取り組みに関するインタビュー調査の分析を終え、結果をまとめ、令和2年10月に日本介護福祉学会において紙面上による報告を行った。 調査対象となった2法人は、平成29年に地域密着型介護施設対象の調査を実施した3法人のうちの2法人である。そのため、学会報告では、同じ法人の地域密着型介護施設職員を対象に実施した調査によって明らかにした、理念浸透の実態と比較し、介護老人福祉施設では、利用者の重度化やユニット内での日常の援助に集中しており、施設や利用者の地域との関わりについて意識が向いていなかったり、普段自分たちが行っている援助が理念に適っていることに気づいていないなど、地域密着型介護施設とは異なる課題が存在していたことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究助成2年目に所属先を異動し、調査対象施設が遠方となり、日程調整が難しかったり、業務が繁忙となり、計画どおりに研究が進まなくなった。研究3年目の令和元年度も遅れを取り戻すことができず、1年目に実施した地域密着型介護施設の職員に行った調査の結果を学会等で2本報告したのみである。 4年目の令和2年度には、さらに所属先を異動した上に、新型コロナウィルスの影響で春学期の授業と社会福祉士養成の相談援助実習をオンラインで実施したため、研究時間を確保できず、2年目に実施した介護老人福祉施設職員を対象としたインタビュー調査の結果を日本介護福祉学会で報告するに留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度、令和2年度に学会等で報告した地域密着型介護施設の職員及び、介護老人福祉施設職員に対し行った調査結果について、本年度中に2本の論文にまとめ発表する。 論文執筆と並行し、2つの質的調査結果をもとに質問紙の作成を行い、秋以降、当初3年目に実施する予定であった量的調査を実施する。
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Causes of Carryover |
本来3年目で実施する予定であった地域密着型介護施設職員に対する理念浸透と職務ストレス等についての量的調査を対象地域を関西地域とし、次年度に実施するにあたり、調査票作成、郵送、集計等の費用に助成金を使用する。
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Research Products
(1 results)