2018 Fiscal Year Research-status Report
保育における児童・保護者のウェルビーイングを目指した「養育支援」のあり方の検討
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17K04296
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Research Institution | Kamakura Women's Junior College |
Principal Investigator |
太田 敬子 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 教授 (40352489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臺 有桂 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (00341876)
中村 真一 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 准教授 (90789158)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 養育支援 / ウェルビーイング / 保育所 / 市町村相談 / 児童相談所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、保育所における養育支援についてのあり方を検討するため、養育支援を必要とする子どもと家族への保育所の保育士による支援を阻害または高める要因を探ることを目的とするものであり、前年度から引き続き、養育支援に関する保育所、市町村行政関係機関に加え、児童相談所へのインタビュー調査とその分析考察を継続して行った。 多様な支援をそれぞれの機関の役割と特性に応じて、現代の子どもと家庭の特有の実情の中で行っていることが鮮明になった。先行研究、通知、法令等で得られた知見でも養育支援や保護者の養育力のとらえ方については広範囲な概念を含んでいたが、おそらく、課題や問題を中心に子どもや家族をとらえる視点からその軽減や解決が中心となるため、それぞれの機関特性を反映し、保護者の養育力を把握するための基盤となる指標や支援基準には共有できる共通のものが見えにくいことがうかがえた。支援のあり方に保護者の養育力に着目する視点とアプローチを組み込む必要性があることが示唆された。 このようなことが、多機関で連携して進める支援にも影響を与えている。具体的には①必要な支援のため各機関が持っている情報の取り扱い、②長期的支援が継続して必要と予測される家庭、③いったん課題が解決しても再度、問題が頻発する家庭などの把握や連携に際する支援体制を複雑にしていることなどである。 また、当事者から支援要請がある場合は支援がしやすく効果も得られやすいが、保護者からの支援の拒否やクレームなどの状況もあるため、保護者の養育力を考慮する際、主体的な当事者参加型の支援のあり方の検討の必要もあることが把握された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では2年度目に関係機関に対するアンケート調査を行う予定であったが、インタビュー調査で得られた内容をできるだけ反映した調査票を作成したいと考え、最終年度へ変更した。アンケート調査調査としては保育施設を中心に行いたいと準備を進めているところである。本年は、保育所、市町村関係機関、児童相談所等の現場の実態についてさらに、多くの知見を得ることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年計画の最終年度となる本年度はこれまでに把握された課題をふまえ、さらにインタビューも継続して行いながら、保育所を中心とした量的調査としてアンケート調査を行う。対象地域と保育施設の選定を終えており、依頼手続き等の準備を行っている。インタビュー調査で得られた内容を反映し、質問紙の精査を行い、保護者の養育力の把握の仕方に着目し、支援内容、支援上の課題、困難、工夫などについてとらえていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度予定であったアンケート調査を本年度実施と変更したため、前年度分を繰り越したためです。
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