2019 Fiscal Year Annual Research Report
An Experimental Study on Education and Training for Delivery Drivers to Enhance the Effectiveness of Meal Delivery Services and the Feasibility of Expanding These Services
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17K04298
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
松井 順子 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (20552772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧里 毎治 関西学院大学, 災害復興制度研究所, 研究員 (40113344)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 配食サービス / 配達員 / 教育的研修 / 自尊感情・誇り / 給付の有効性 |
Outline of Annual Research Achievements |
配食サービス委託事業者3社の協力を得て、配達員の方達を対象に月1回のペースで実施した配食に関する研修は2018年度に終え、その有効性を検証するため、2019年2~4月に、配達員個々を対象に受講終了後の意識調査を実施した。2019年度はその結果の分析、更には、配達を活かしながら、地域内での新たな事業の可能性があるか、各社の代表と主たるメンバーを含めた研究会で検討を試みた。そのほか、配達マニュアルの作成・修正も継続中である。そもそも本研究は、都市部で配食配達時の安否確認の不確実性が問題視されていること、給付の有効性が曖昧である等の指摘があるなか、財源の厳しさと民間サービスが拡がりもあり、公的配食事業が縮小・中止の方向にあることに対して、質の高い配達の実現で一連の課題を改善し、事業の継続を訴求することが研究の主たる目的であった。課題改善の具体策として、本研究では配達員への教育を行ない、仕事に対する理解を深め個々の誇りに働きかけ、質の高い配達の実現を目指すという展開を想定している。なお、本稿では誇りの代理変数として自尊感情尺度を用いた。結果は、研修前と比較すると自尊感情尺度総点は有意差が認められた。次に、事後の自尊感情尺度総点を被説明変数に置いた回帰式で、有意差が認められた変数を読み解くと、配達員は自分の仕事の意義を確認できる変数と、経営側に仕事環境の改善を求める変数などが影響している。以上のことから、教育的研修は一定レベルの効果が認められると言えそうである。次に、配達マニュアル作りは、配達員間の意見交換の場となり、副次的な効果をもたらした。最後に、配達を活かした新たな事業は既に1社が買い物代行を行っているが、3社間で協力体制を取るというレベルにはまだなく、今後、関係性を維持するなかで議論を深め新たな歩み見出す方向にある。
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