2019 Fiscal Year Research-status Report
地域福祉推進に向けた社会福祉法人の経営理念浸透モデル開発:日韓比較研究を通して
Project/Area Number |
17K04300
|
Research Institution | Saga Women's Junior College |
Principal Investigator |
羅 みんきょん 佐賀女子短期大学, その他部局等, 准教授 (50758315)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 経営理念浸透 / 社会福祉法人 / 地域福祉 / 人材定着 / 日韓比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日韓の社会福祉法人における経営理念の内容と浸透策を分析・類型化し、地域福祉推進及び人材確保・育成との関連性を明らかにするとともに、経営理念の浸透モデルを開発することを目的としている。地域福祉推進に向けた経営理念の浸透モデルを開発するために、社会福祉法人における経営理念の浸透方法、浸透プロセス、意識に焦点をあてて比較研究を進めている。研究方法としては経営理念浸透に関する文献の検討、インタビュー調査、質問紙調査を実施し浸透モデルの作成と明確化に取り組んでいる。 本年度は、既実施したインタビュー調査(日韓両国の社会福祉法人が経営する高齢者施設の施設長と介護職中堅職員を対象に、半構造化面接法を採用した)から得られたデータの分析に取り組んだ。①介護職中堅職員の経営理念浸透プロセスと浸透レベルについて、②介護人材の定着と経営理理念の機能との関連性についてまとめ、日韓両国の浸透方法と浸透プロセスの類型化に向けた基礎資料が得られた。また、医療法人、株式会社、特定非営利活動法人等、社会福祉法人以外の経営主体における理念浸透のプロセスを探求するために、アンケート調査を実施した。結果、経営理念浸透策において経営主体別や経験年数等に相違点の見られ、社会福祉法人の経営理念浸透策を特徴づける基礎資料が獲得できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は日韓比較研究を実施しており、韓国の研究協力者の一身上の事由並びに研究対象国・地域の情勢を鑑み、量的調査の対象を見直す必要性が生じた。そのため、日本国内の量的調査対象を含めた比較研究の対象・方法等の調整を行っており研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
日韓の社会福祉法人高齢者施設を対象にアンケート調査を実施する。経営理念の浸透に直接的に関与している経営者(施設長)と介護職中堅職員を対象に、経営理念に対する意識や理念の機能がどの程度働いているかについて質問紙調査を行う。質問項目については、インタビュー調査と文献調査で得られた経営理念の浸透方法と浸透プロセスに関する結果に基づいて作成する。調査対象施設は、日本では特別養護老人ホーム1000ヵ所、韓国では老人療養施設1000ヵ所である。調査対象の選定はランダム方式で抽出する。回収したデータを分析し調査対象者「意識」の側面から①経営理念の浸透策が地域福祉推進にどう関係しているか、②経営理念の浸透策が人材確保と人材育成にどのような関連性をもっているか、について明らかにする。
|
Causes of Carryover |
本研究は日韓比較研究を実施しており、韓国の研究協力者の一身上の事由並びに研究対象国・地域の情勢を鑑み、量的調査の対象・対象等、研究計画の変更が必要となり、補助事業期間の1年延長の承認を得た。当該年度助成金の直接経費が1,200,000円、次年度使用予定額は780,750円である。 本助成金は主に次年度予定しているアンケート調査(日韓高齢者施設の施設長と介護職中堅職員対象)の実施および学会報告の旅費に充てる。
|