2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of culture-specific person perception: Japan-US comparison of spontaneous trait inferences
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17K04308
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 由紀 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30377006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 対人認知 / 比較文化 / 自動的過程 / 特性推論 / 状況推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
意図せず,自動的・自発的に,他者の行動から特性を推論する自発的特性推論 (Spontaneous Trait Inference; STI)の文化差について明らかにすることを目的としている。ニューヨーク大学との国際共同研究により,個別実験による検討を行った。 昨年度実施した,日本人,アジア系アメリカ人,ヨーロッパ系アメリカ人の3群,計218名を対象とした実験の結果を分析した。結果から,まず,ヨーロッパ系アメリカ人は自発的特性推論の方が自発的状況推論よりも大きく生起するのに対し,アジア系アメリカ人と日本人は両推論を同程度生起することが示された。さらには,アイトラッカーにより測定した行動観察時の人物と状況への注視は,自発的特性推論と自発的状況推論(Spontaneous Situation Inference; SSI)の同時生起と関連していることが示された。また,注視行動は,文化と自発的推論の間の関係を媒介していることが媒介分析により示された。 さらに,昨年度開始した,Analytic-Holisticb認知様式の文化差を調べる尺度への回答と,自発的推論との関連を検討した実験を,今年度は完了させた。日本人,アジア系アメリカ人,ヨーロッパ系アメリカ人の3群,計180名を対象とした実験の結果,自己報告によって測られる認知様式の文化差は,自発的推論の文化差と関連しないことが示された。これら2つの実験の結果から,自発的特性推論の文化差は自動的過程に埋め込まれており,行動観察時の自動的な注意過程と関連することが示された。これらの成果を論文にまとめ,国際誌に投稿した。
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Research Products
(7 results)