2017 Fiscal Year Research-status Report
損失回避性と社会的比較が節電行動に与える影響の違い:ランダム化比較試験による検証
Project/Area Number |
17K04318
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
村上 一真 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (40626058)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RCT / 損失回避性 / 社会的比較 / 節電行動 / 社会実験 / インセンティブ情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後国内では電力料金低下による節電行動の緩みが予想される。地球温暖化抑制への個人の節電行動の重要性は、より一層高まる。これまで、個人の「節電意識・行動・効果プロセス」に係る新たなモデルの構築と検証を行い、損失回避性と社会的比較要因の影響を明らかにしてきた。近年、ランダム化比較試験(RCT)による社会実験が海外を中心に実施され、節電分野でも高い成果をあげている。ただ、節電の意識と行動に影響を与えるメカニズムは明らかにされていない。本研究では、「節電意識・行動・効果プロセス」と「RCT社会実験」を組みあわせた全く新しい研究を行い、損失回避性情報と社会的比較情報が、節電行動に与える影響の違い(プロセス、結果)を検証する。そして、節電行動促進に向けたインセンティブ情報の望ましい表現・提供方法を示す。 具体的には、節電行動の規定要因のうち、村上(2016)で示した「個人便益の可視化と実感」と「身近な他者との関わりに基づく知識・情報の補完と同調、競争」を踏まえ、損失回避性と社会的比較に対応する情報を複数設定してRCT社会実験を行い、これら情報が節電行動に与える影響の違い(意思決定プロセス、結果)を比較検証する。 本年度は、「節電効果の表現の違いによる節電行動への影響力の違い」を明らかにするため、損失回避性および他者比較に係る3つの異なる提供情報間での節電行動・効果、および意思決定要因の影響の違いをRCT社会実験により明らかにした。社会実験は調査会社の登録モニターに対し、Webを通じて行った。節電行動前のRCTに係る情報提供等(7月中旬)と、節電行動結果の把握等(9月中旬)を目的に、同一被験者に2回ずつ実施し、そのデータを接合し、分析、考察を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画どおりに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に沿って進めていく。
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Causes of Carryover |
研究者本人が作業を行った部分で、人件費・謝金が当初計画より抑えられたため次年度使用額が生じた。 この次年度使用額は、翌年度の作業における人件費・謝金に充当させる。
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