2017 Fiscal Year Research-status Report
ヘルスリテラシーががん検診の選好に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
17K04326
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
田口 良子 鎌倉女子大学, 家政学部, 准教授 (00573726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 光江 順天堂大学, 医学部, 教授 (30205679)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 選択型実験 / がん検診 / 選好 / ヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヘルスリテラシーががん検診の選好に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。がん検診の手段としては今後導入が推進される可能性のあるがん検診も想定に入れる。また、調査手法としては、人々の行動選択に関する選好(意思決定の好み)を明らかにするための調査方法である選択型実験(仮想的な商品やサービスのプロファイル(属性と水準の組み合わせ)を設定し、対象者に複数のプロファイルを提示して好ましい組み合わせを尋ね、選択された結果から回答者の選好の傾向を調べる方法)を用いて分析を行う。さらに、ヘルスリテラシーと選好との関連性を検討する。 今年度は、がん検診の選好の構造に影響を及ぼす心理社会的要因に関して先行研究の文献レビュー等を行った。がん検診の選好の多様性(個人差)を検討している研究をレビューし、多様性の有無、多様性の原因(がん検診の選好に影響を及ぼす要因)、分析方法に関する報告内容を整理することを目的として実施した。設定した検索式によりデータベースから論文を抽出し、最終的に24論文を対象論文とした。いずれの研究も2000年以降に実施されており、対象となったがん種はメラノーマ、前立腺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんであった。欧州、オーストラリア、北米での報告が比較的多かった。表明選好法の種類はほとんどが選択型であったが、ランキング、評定型を用いた研究もみられた。さまざまな検診属性や属性水準、検診の種類、検診を受けないという選択に関して選好の多様性がみられた。多様性の原因としては、教育、就業状態、収入、社会階層、検診受診経験、人種、不安、痛みなどが報告されていた。主な分析はプロビットモデルや多項ロジットモデルが用いられていた。がん検診の選好といくつかの個人属性や心理社会的変数との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り文献レビューなどを実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究の文献レビューをさらに継続して実施し、今後の質問紙調査の実施に向けて、対象者および選択型実験で使用する評価対象である仮想的な検診を構成する属性、および各属性に対して設定する水準の選定を行う。また、その他の調査項目についても選定を進める。
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Causes of Carryover |
当初、調査補助や業務委託の依頼を検討していた業務(資料整理や質問紙調査の準備に関わる作業など)を次年度実施分とした。 平成30年度に平成29年度に検討していた業務の実施を進めることにより、費用を支出する予定である。
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