2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural perspective in the association between ovarian hormone and worry among Japanese female
Project/Area Number |
17K04328
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60255940)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不安傾向 / 女性ホルモン / 月経周期 / ネガティブ感情 / 文化差 |
Outline of Annual Research Achievements |
不安は、個人内特性であると共に、事件や災害、また人間関係での経験といった、社会・文化での経験によって生成されていく集合的要素を持っています。これまで幾多の文化間比較研究によって、ネガティブ感情や神経症傾向、社会的不安や自己批判行動など、不安や近接心理傾向が欧米に比べて高くなることが、示されてきました(e.g., Kitayama, et. al., 2018)。日本人における不安の生成プロセスを理解するためには、個人の生理的レベルや質問紙などによる態度レベルに加え、認知課題実験での潜在的行動や脳神経レベルでの複層的分析とそれらの文化比較することが必要となります。この研究では、不安と女性ホルモンの関連(e.g., Moser et al, )に着目し、これまで文化比較研究で効果的であった自己や不安関連の指標を加えて、日本の不安のメカニズムの検討を行うこととしました。日本人女性を対象に、アメリカで、同様の手続きで実施されたデータを比較した間接的日米比較研究を用いました。具体的には2つの研究を計画しました。 1)月経周期におけるホルモンとの不安傾向との関連と、2)日本、アメリカでの同一手続きによるネガティブな情報処理時の認知活動の脳波分析です。月経周期プロファイルの安定した研究対象者数やコロナ禍により実験実施の困難から、研究方法の大幅な修正を行いました。最終年度では、実験調査のデータを追加収集し、アメリカの先行研究と比べると、月経周期による影響が日本では弱い可能性が示唆されました。また、研究方法の修正の妥当性を中高年期の女性を対象としたうつ傾向の文化差についての二次的分析を行い検証しました。最終的な分析を学会で発表する予定です。
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