2019 Fiscal Year Research-status Report
アクティブ・ラーニングによる深い学びを促進する評価指標の開発
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17K04339
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
平 真木夫 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (50312690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田幡 憲一 宮城教育大学, その他部局等, 名誉教授 (00236720)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60344743)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 探求活動 / 領域知識 / 検索サイト |
Outline of Annual Research Achievements |
Scardamalia & Bereiter (2005)は,アメリカの小学校のクラスでComputer-Supported Intentional Learning Environments (CSILE)を活用し,お互いのアイディアノートや集めた情報をシェアするような形態で授業を進めたところ,標準学力試験もポートフォリオ評価も向上したことを報告している。彼女たちの実践では,更にコンセプトマップや描画ツールを利用してお互いのアイディアを繋げるような活動を行った結果,生徒たちの深い学びに繋がったという。このような活動は実際の教師が行っている協同研究の場面と類似したものといえるだろう。文科省が提唱するような深い学びを一般の学級でも到達させるためには解明すべき重要な知見となっている。 今年度は2つの質的に異なるトピックを協同で検索して解決することで,どのような学びが得られるのか考察した。2つのトピックはそれぞれ既有知識が豊富にあるトピックと乏しいトピックとなっていたが,それらをチームを組んで検索して回答を求めた。その結果,既有知識が豊富にあるトピックの方が深い理解を得たと報告された。その理由として既有知識が変容することによって自己効力感が得られた可能性が示唆された。そして,その既有知識が変容するために他者の意見の受容が大きな役割を果たしていたことも示唆された。また,他者との共同作業によって検索キーワードの広がりが見られた。 なお,水谷・小川 (2019)が報告したように,本研究でも被験者たちのかなりの人数がパソコンよりもスマートホンを利用していたことが示唆される。情報教育の中でもコンピュータの活用能力の一つとして,情報端末を利用する際の入力スキルの向上が挙げられるが,入力するデバイスの在り方も今後は検討する必要があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの対応のため,調査を依頼していた協力校で調査ができなくなった。高校入学直後の1年生(5月)と入学後文系・理系のコース選択が確定する時期(2月末)に質問紙調査を実施する予定であったが,協力校で上記の理由で調査が困難になった。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度(R2)においてR1で実施予定だった調査を実施する。(現時点で協力校で授業開始の時期が確定されていないため,調査実施の日程は流動的となっている。)
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Causes of Carryover |
調査協力校における異動とコロナウイルスへの対応があったため。2020年度は調査協力校において生徒向けの質問紙調査を実施し,更に教員を対象とした聞き取り調査を行う。それらを報告書としてまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)