2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metrics to promote deep learning through active learning
Project/Area Number |
17K04339
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
平 真木夫 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (50312690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田幡 憲一 宮城教育大学, その他部局等, 名誉教授 (00236720)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60344743)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達的変化 / 達成目標の変化 / 学力低下問題 / センター試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に行った研究として,大まかに「日々の勉強と試験対策の発達的変化~センター試験の数学と国語を題材にした考察~」「小中高大にわたる達成目標の変化」「学習方略の発達的変化:小学校から大学までの学習意欲の分析」がある。特に本研究を総括する研究として「日々の勉強と試験対策の発達的変化」を報告する。 本論文では各発達段階(小学校,中学校,高等学校)においてどのような勉強をしていたのか,被験者たちに自由に記述するよう求めた。そして,受験勉強によって獲得された知識とはどのようなもので,どのように残ると考えられているのか,被験者たちに自由に記述してもらった。本論文はそのような質的な記述をテキストマイニングの手法を用いて可視化したものである。 本論文は平・レオン(2011)が行った大学生の学力低下問題の追調査として位置づけられる。平・レオン(2011)では日本とシンガポールの大学生を対象として,国語と数学に限定して両国の大学生の学力の実態を調べたが,そこでは国語力はあまり変化がないのに対して数学は文系学部の学生において有意に低下が見られた。まさに受験をピークに定めた最大瞬間学力といえるような結果であった。本論文はこの調査結果を受け何故このような学力が形成されたのか,小学校から高校まで主要5教科の勉強方法の変遷を自由記述によって分析したことになる。今回の調査でもセンター試験の数学Ⅰ・Aの過去問を解かせたが,このような数学的根拠に基づき判断を行うための活用型の知識は,単純な暗記によって形成された知識とは異なって知識のネットワーク構造の中で様々な概念と結びついており,そのリンクの数が多いので忘却されにくいと考えられる。すなわち,意味ネットワークの中でリンクの数が多いほど,概念として精緻化されているほど忘却率も低下するといえよう。
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