2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on the psycholgical vulnerability among present-day Japanese adolescents
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17K04345
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡田 努 金沢大学, 人間科学系, 教授 (10233339)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 現代青年 / 友人関係 / 不適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の青年の対人関係と適応の関連について研究計画段階では,次のように考えられていた。すなわち,ランチメイト症候群は他者から傷つけられることを強迫的に恐れる過敏性自己愛の特徴が高いことから「内在化」の特徴を強く示し,また他者の視線を気かけている。一方,軽躁的な青年は,他者の視線を気にしながらも外向的に振る舞っており外在化の特徴を示していると考えられる。また「ふれ合い恐怖的心性」を持つ者は内在化の特徴を示しながらも他者からの視線を気にする必要のない程度まで対人距離をとっている青年と考えられる。また「内在化」「外在化」という要因は健常なパーソナリティ特性と連続しており,必ずしも不適応的な側面だけではなく,適応的な意味も含まれていると考えられる。よって,内在型の不適応が想定される。 令和2年度については,上記の仮説に加え,特定の趣味に没頭する「オタク」現象に着目し,これについての尺度を加えたデータを,青年層に対して実施した。その結果,「オタク」と呼ばれる青年,とくに鉄道を趣味とする青年においては,特に病理的な問題や自尊心の低さを示す徴候は見られないことが明らかとなった。 また,過年度において採取したデータに基づいて,ランチメイト症候群,ふれ合い恐怖的心性と対人関係の特徴およびパーソナリティ特性との関連について分析を進めた。この結果は国際心理学会において発表予定であったが新型コロナウィルス感染症拡大のため年度内の大会が開催されなくなったことから,発表を順延した。この結果については令和3年度において国際学会に発表する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた変数に加え,あらたに「オタク」的心性についても含めた検討を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施した調査結果に基づいて,青年期の対人関係とパーソナリティ特性の病理的傾向との関連および周辺の変数の関連について総合的にまとめる。また同時に次期研究への継続を想定して新たな変数によるデータ採取を行う。
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Causes of Carryover |
購入金額の端数が残金として計上されたが,次年度において使い切る予定である。
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Research Products
(6 results)