2017 Fiscal Year Research-status Report
A cultural psychological study on the negative effects of extracurricular activities (bukatsu) on children's development in Japan
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17K04347
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
尾見 康博 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20264575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 公昭 立正大学, 心理学部, 教授 (10237703)
川野 健治 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20288046)
太田 仁 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90549669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 課外活動 / 部活 / 文化 / 規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
制約班は,藤崎の協力を得て,北海道の高校陸上部で全国レベルの実績を上げているコーチを対象にインタビューを行い,アスリート育成における部活の可能性と課題についていくつかの知見を得た。同じように実績を上げていても,非科学的,非倫理的な指導がいまだに行われている学校もあれば,科学的な知見を積極的に取り入れて健全な運営,指導が行われている学校もあることが明らかになった。現在,分析をほぼ終え,中国の制度や実態について学会で発表した論考とも関連づけながら,文化的比較の観点もふまえながら論文執筆に取りかかっている。 不適応班は,退部については少しずつ事例を収集し分析を始めている。先輩や同輩との関係等でいやな思いをして退部する場合だけではなく,学業と両立が難しいと保護者の判断で退部することもあるなど,当初あまり想定しなかった例もあることがわかり,今後の調査指針を得ることができた。なお,部活における先輩後輩関係のもつ負の側面については学会発表をした。通院については小児科医の藤根の協力を得て,やはり少しずつではあるが対象事例の絞り込みを始めている。また,自殺については,川野が中心となり,クリティカルディスコース分析の対象を愛知県の高校野球部員が自殺した事件(2011)にすることに決め,分析を始めようとしている段階である。 集団病理班は,西田ほか(2009)の集団健康尺度をベースに,予備調査としてのインタビューを少しずつ始めており,部活環境に適合した尺度作成に向け,西田,太田と意見交換をしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
集団病理班の西田が学会の会長に選出されたり,研究協力者である藤根が本業である医師の仕事に忙殺されたりしたうえに,全体統括の尾見が本務校の業務に忙殺されてしまった。その結果,不適応班調査および集団病理班調査はかなり出遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
集団病理班の出遅れに対しては,新たに太田仁教授(梅花女子大学)に加わってもらうことにより,調査の設計と実施に向けて遅れを取り戻す予定である。不適応班においても,昨年度以上に相互の連絡を密にし,調査・分析の実施に向けて取り組むつもりである。
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Causes of Carryover |
不適応班は,クリティカルディスコース分析の対象テキストの選定と入手に時間がかかり,まだ分析に取りかかれていない。しかし,選定を済ませ,テキストを入手することができたので,今年度中には分析を完了させることができる見込みである。 集団病理班は,インタビューを用いた調査データを収集・整理している段階にあるが,まとめる作業が予定から遅れている。しかし,今年度から新たに研究分担者を一名増員し,この夏に向けて面接データの収集結果をまとめて質問紙による調査段階に移行することで調整している。 いずれの班についても,昨年度の遅滞を挽回すべく計画を組み直しており,予算はそのための交通費やデータ整理費用として使用する予定である。
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