2017 Fiscal Year Research-status Report
他者との相互作用によるモニタリング促進効果を活用した指導枠組みの開発
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17K04350
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清河 幸子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00422387)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モニタリング / 自己/他者 / 洞察問題解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「他者との相互作用によるモニタリング促進」仮説を提案し,(1)実験研究により仮説を検証するとともに,(2)当該効果がより大きく発揮されるための教示を特定し,最終的には,(3)大学の授業場面に適用可能な指導枠組みの開発を行うことを目的としている。本年度はこのうちの(1)にあたる2つの実験を行った。 実験1では,洞察問題解決状況における個人のモニタリングの特徴を明らかにすることを目的とした。先行研究において,洞察問題解決時には自らの遂行を適切にモニターすることが困難であることが指摘されてきている。本実験ではTパズルを用いて,その傾向が見られるかを確認した。38名の大学生が実験に参加し,PC画面上でTパズルに取り組むとともに,1分ごとに「どれだけ正解に近づいているか(warmth評定)」を評定した。その結果,正解に到達できた参加者でも正解に到達する直前までwarmth評定が高まらないことが示された。この結果は,先行研究と一致しており,自らの問題解決状況を適切にモニターすることが困難であることを示唆している。 実験2では,先行研究や実験1において示された自らの問題解決状況のモニタリングにおける困難が,他者の問題解決状況のモニタリングにおいて克服されるかどうかを検討した。具体的には,46名の大学生が実験に参加し,自分で課題に取り組みながら1分ごとにwarmth評定を行う自己試行評価条件と,他者の試行に対するwarmth評定のみを行う他者試行評価条件に割り当てられた。制限時間内に正解に到達したグループにおいても,正解できなかったグループにおいても,条件間で差は認められなかったが,ピースの配置を考慮したより詳細な検討が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験を実施し,2件の学会発表を行うことが出来た。そのうち1つの実験に関しては予測していた結果が得られなかったものの,最終的な解決成績だけではなく,途中の問題解決過程を考慮した上での詳細な検討が必要であることが明らかとなった。既にデータは収集済であることから,すぐに分析に着手することが可能である。これらの実験に加えて,実施済の実験が1つあり,2018年度に国際学会で発表することが決定している。追加分析を実施するとともに,学会での議論を受けて,論文化を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は2017年度に課題として残された問題解決過程を考慮した詳細な分析を行うとともに,「他者との相互作用によるモニタリングの促進効果」を最大化するための教示の特定を目的とした実験を行う。なお,2018年4月より,University of Sussexに滞在中であるため,自らが実験担当者となる実験はそこで行う。また,実験補助者を雇用することで,並行して名古屋大学でも実施する。2017年度に得られたデータについては,国際学会において発表を行い,そこで受けたコメントも参考にしつつ,論文化を行う。
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Causes of Carryover |
実験の実施時期によって参加者数が変動することから,予定していたよりも実験参加者に対して支払う謝金が少額となったため,次年度使用額が生じた。これを含めて,実験参加者謝金に充てる予定である。また,2018年度は海外の大学に滞在する予定となっているため,滞在先で自らが実験担当者として実験を行うための費用に充てるとともに,名古屋大学での実験を担当する実験補助者への謝金としても使用する。さらに,前年度に実施した研究の成果を国際学会において発表するために,旅費としても使用する。
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Research Products
(2 results)