2018 Fiscal Year Research-status Report
離乳食場面に見られる父親・母親の行動特性と子どものアタッチメント安定性との関連
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17K04366
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
福田 佳織 東洋学園大学, 東洋学園大学人間科学部, 教授 (10433682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 和男 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (10169170)
森下 葉子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (90591842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離乳食場面 / 母子 / 父子 |
Outline of Annual Research Achievements |
18年度は調査1(離乳期における家庭観察等の調査)を8件、調査2(調査1からの縦断調査となるアタッチメント調査)を3件実施した。 調査1データは17件集まり、それらのデータを用いて、紀要への投稿および発達心理学会でのポスター発表を行った。 具体的には以下の通りである。紀要では、離乳食場面において、親が乳児に「あーん」と食べ物を与える行動(親の「あーん」行動)のパターン抽出および各パターンの総表出時間を明らかにした。親の「あーん」行動は13パターン(①微小開口(音声無)、②発話開口(音声有)、③充分開口(音声無)、④充分開口(音声有)、⑤増幅開口(音声無)、⑥増幅開口(音声有)、⑦増幅音声開口(音声有)。②~⑦は子どもの開口の前か後かによって意味合いが異なるため(前は乳児の開口を促す働き、後は乳児の開口を模倣する働きなど)、別パターンとした)であった。このうち、乳児の開口前後でパターンを分けない①微笑開口を除いて、最も総表出時間が長かったのは、乳児開口後に見られた充分開口(音声無)であった。また、乳児開口前と後での親の「あーん」行動の総表出時間には有意な差が見られなかった。 発達心理学会ポスター発表では、離乳食場面における親子の位置取りとアイコンタクト率との関連について明らかにした。正面の位置取りが最もアイコンタクト率が高かった。また、有意差は示されなかったもののL字の位置取りは正面に比べてアイコンタクト率が低くなることが明らかになった。さらに、背後の位置取りでは、ほとんどアイコンタクトが生じず、正面の位置取りにおけるアイコンタクト率と有意差が見られた。 以上のように、現在は、後の子どものアタッチメント(調査2)に影響する要因を探求するため、離乳食場面にみられる父子・母子それぞれのやり取りのあらゆる要素を抽出し分析するという作業を実施している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
父親、母親の両方からの協力を要する調査であること、また、家庭訪問を要する調査であることから、協力者数が当初の予定よりも集まっていないのが現状である。しかしながら、1つ1つの微細な行動を映像データから抽出し分析しているため、その分析に要する時間は莫大なものである。データ収集の進捗状況から言えば、やや遅れているが、研究自体は着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集に関しては、新規協力者は年間10件、継続協力者は年間5件程度を目指し、分析の緻密さを優先して研究を進める方針である。また、成果の発信も積極的に行う。 すでに、今年度の計画については、研究分担者とも打ち合わせが済んでおり、各々が学会誌等にて公表することになっている。また、今年度の学会発表の準備も進めているところである。
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Causes of Carryover |
1,082円に関しては、3月末の調査交通費として残しておいたものが、調査日変更により翌月となったため。 翌年度も調査は継続されるため、交通費や謝金等に使用する。
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