• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

幼児期における特定の「親密な友達」の形成過程:「仲間づくり活動」の縦断的観察から

Research Project

Project/Area Number 17K04368
Research InstitutionKyoritsu Women's University

Principal Investigator

河原 紀子  共立女子大学, 家政学部, 教授 (90367087)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 根ケ山 光一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00112003)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords仲間関係 / 幼児 / 親密な友だち
Outline of Annual Research Achievements

今年度の研究実績は、以下の三点にまとめられる。
第一に、3歳児における「友だち」の認識の短期縦断的変化について、幼児のインタビューデータと保育者による評価を、年度初めとその半年後の2つの時期で比較検討を行った。研究協力者として、3歳児20名とその担任保育者2名を対象に、特定の「親密な友だち」がいるかどうか、またその人数や性別、子どもの回答と保育者の評価との一致率等について検討した。その結果、2時点とも75~85%の幼児が「親密な友だち」の名前を回答し、その人数は1.6~2.4人で有意差は見られなかった。また、子どもが回答した名前の2時点での一致率は20~30%以下であった。しかし、子どもの回答と保育者の評価の一致率は、年度初めは40%しかなかったが、年度後半では50~80%へと有意に増大した。時間経過とともに、保育者の仲間関係についての理解・認識が発展することが示唆された。
第二に、4歳児における「親密な友だち」の認識として、「いつも一緒に遊んでいる友だち」「仲良しの友だち」の短期縦断的変化について、上記と同様の分析・検討を行った。その結果、子どもにとって「遊んでいる友だち」と「仲良しの友だち」は必ずしも一致しないこと、また年度初めとその半年後を比較すると、「遊んでいる友だち」の方が「仲良しの友だち」より継続性があり、人数も多いこと、さらに年度後半になると、「遊んでいる友だち」は保育者の評価との一致率が高いこと、一方、「仲良しの友だち」については、その言葉に対する認識が多様である可能性が示唆された。
以上、それぞれ学会発表を行った。
第三に、昨年度分析した3,4,5歳児の短期縦断研究について、再分析を行い、先行研究との関連を検討し、論文にまとめた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度収集したデータの分析に加え、今年度は新たに5歳児(20名)へのインタビューおよび担任保育者の評価についての縦断データを収集できた。また、月2~4回程度の保育場面の観察から、子ども同士の対立・葛藤場面、注意・忠告場面のエピソードの収集、さらに、【リーダー活動】におけるリーダーの選出場面やリーダーの独自な活動および話し合い場面のエピソードも収集した。加えて今年度、担任保育者よりグループ編成における「ねらい」やリーダーの候補となる子どもに関する情報を収集した。
また、5歳児(20名)へのインタビューの評価の結果分析にも着手している。保育場面のデータは膨大であるが、対立・葛藤場面の抽出作業と予備的な分析を行っている。
年度末には、来年度実施する保護者アンケートへの協力依頼の文書を配布し、20名中14名の保護者から協力の回答が得られている。

Strategy for Future Research Activity

今後の新たなデータの収集として、来年度は新たに卒園後の仲間関係について検討するため、小学校への入学後の6~7月ごろに、保護者へのアンケート調査を行う予定である。保育園から同じ小学校に入学した友だちとの関係、新たな友だち関係、学校や学童保育所による関係性の特徴、さらに、保護者同士の関係性等について検討したいと考えている。
また、これまで収集したデータの分析を進め、関連学会において成果発表するとともに、情報交換・研究交流を図りたい。併せて、研究成果を論文にまとめる作業も進めたいと考えている。
ただし、新型コロナウィルス感染症対策の状況によっては計画変更の可能性がある。

Causes of Carryover

研究分担者は当初予定していた国際学会出張を取りやめたため、その分を次年度へ繰り越すこととなった。また、研究代表者は、本年度10万円の前倒し請求をしたことにより、結果として余剰が出た。これらは来年度のデータ分析や研究協力者(保護者)への謝金等として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 幼児期における「友だち」の認識 : インタビュー調査による短期縦断的検討2020

    • Author(s)
      河原紀子
    • Journal Title

      共立女子大学家政学部紀要

      Volume: 66 Pages: 133 - 140

    • Open Access
  • [Presentation] Dyadic analysis of peer relationships in 3-year-olds: Comparison of children’s sociometric data and teachers' reports2020

    • Author(s)
      Kawahara, N & Negayama, K.
    • Organizer
      29th Annual Meeting 2019 EECERA
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 4歳児における「友だち」の認識 ―子どもの回答と保育者の評価の比較から―2019

    • Author(s)
      河原紀子
    • Organizer
      日本心理学会第83回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi