2021 Fiscal Year Research-status Report
情動反応性・情動制御性に係る気質と自己制御行動との関連:学齢期における縦断研究
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17K04377
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
水野 里恵 中京大学, 心理学部, 教授 (10321019)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コロナ禍 / SDQ(子どもの強さと困難さアンケート) / 外出体験 / 性格特性 / 気質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2010年出生の第一子505名を対象に,コロナ禍における外出制限・活動制限を小学校高学年で経験することの影響を明らかにするためのウェブ調査を実施した。収集したデータ項目は,直近1年間における学校行事以外での様々な体験(キャンプ,登山,川遊び,釣りやウィンタースポーツなど)の頻度や家族との共有体験,親が感じている子どもの行動の変化,親評定によるSDQ(子どもの強さと困難さアンケート),ならびに,子ども自身が回答した性格特性(児童版5因子性格検査)である。 現時点で,SDQ(子どもの強さと困難さアンケート)の分析結果から,情緒の問題,行為の問題,多動・不注意,仲間関係の問題のいずれの領域でも,日本標準化データと比較して,平均値が1点弱高くなっていること,向社会的な行動の得点は低くなっていることが明らかになっている。この結果は,子どもたちの行動がコロナ禍の影響を受けていることを示している。 このウェブ調査協力対象者には,2015年以降4回実施している縦断研究対象者が含まれており,幼児期・小学校低学年での非認知能力(社会的場面での自己制御行動)や気質的個人差との対応が可能となっている。今後,SDQの結果に示された子どもの行動が,幼少期の子どもの気質特性や自己制御スキルによって異なるのかについて明らかにするために,過去4回の縦断データと統合しての分析を実施する予定である。 研究室コホートについての行動観察による縦断データの収集は,コロナ感染症のため,実施を断念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症のため,研究室コホートの行動観察が実施できなかったこと,教育活動(オンライン教材の作成)に時間を多く割くことになりデータ分析に遅延を来した。
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Strategy for Future Research Activity |
2010年出生ウェブ調査対象者の縦断データ分析を実施し,研究成果発表を行う。 研究室コホートに関しては,状況を見て,追跡の行動観察を実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症により,研究室コホートの行動観察が実施できなかったこと,学会発表ができなかったこととデータ分析に遅延が生じたことが,次年度使用額が生じた理由である。 研究室コホートの行動観察,学会発表,データ分析をしての成果報告書の作成に使用する予定である。
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