2023 Fiscal Year Annual Research Report
Relation between the temperamental individuality in emotional reactivity and emotional regulation and the self-regulation behavior : Longitudinal study in school aged children
Project/Area Number |
17K04377
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
水野 里恵 中京大学, 心理学部, 教授 (10321019)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 接近快活生 / 行動的抑制傾向 / エフォートフル・コントロール / 自己制御行動 / コロナ禍 / SDQ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究室プロジェクトコホートの学齢期(7~9歳)の縦断データの分析を行い,考察を加えた。(1)2017年10月実施調査,(2)2018年10月実施調査,(3)2019年6月実施調査を行い,すべてに回答の得られた43名(男児16名,女児27名)の研究室コホートデータの分析を行なった。2019年調査の自己制御行動は,2017年調査の気質的個人差と以下のような関連を示した。接近快活性は対友人の自己実現的行動と有意な正の相関,行動的抑制傾向は対友人の自己実現的行動と有意な負の相関,エフォートフル・コントロールは対友人・対家族の自己抑制的行動と有意な正の相関を示した。ここから,子どもの情動反応性・情動制御性の気質が対友人・対家族場面での自己抑制的行動を予測する要因となることを示唆した。 全国の2010年出生の第一子を対象にした縦断データ分析は,児童期(8-9歳)の気質3次元(行動的抑制傾向(BI), 接近快活性(EX), エフォートフル・コントロール(EC))が,コロナ禍での子どもの社会情緒面の問題やパーソナリティ形成に与える影響を検討するために行なった。具体的には,コロナ禍前(2019年1月)に測定した子どもの気質3次元(BI, EX, EC)と,コロナ収束時(2022年3月)に測定したSDQ(子どもの強さと困難さアンケート),小学生用5因子性格検査との関連を検討した結果,子どもの総合的困難さ,向社会的な行動ともに,エフォートフル・コントロールで説明できた(総合的困難さは負に,向社会的行動は正に関係した)。調査対象となった子どもたちは,小学校高学年でコロナ禍を経験し,学校生活における様々な制約を受けることになった。多くの子どもたちが社会情緒面で不安定になることが心配されたが,その程度は,子どものエフォートフル・コントロールによってある程度干渉されるものであると考察できた。
|