2021 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal study on children's independence in middle childhood focusing on "parents and children spending time apart"
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17K04378
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離れる / 近づく / 子ども / 家族 / 自立 / 日誌法 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度から6年にわたって追跡してきた家族の行動調査について、コロナ禍の影響でかなりの遅延があったが、今年度は、母親と小学生を対象にしたインタビューデータのテープ起こしもすべて終えることができ、母親に記録を依頼してきた家族の生態データについての分析にもとりかかることができた。家族間の「離れる」「近づく」の実態に焦点化して分析を行った結果、加齢に伴い、1.屋外(主に習い事や保育所・幼稚園)で子どもから親が離れ、一定の時間経過後、親が迎えに行って再会する、2.家を起点に子どもが外へ外出し(行先は主に学校)、その後、子どもが帰宅して親と再会する、3.親が子どもを家に置いて外出し、一定の時間経過後、帰宅して子どもと再会する、の3つの経路をたどることが明らかになった。発達の初期にはかなりの時間を共に過ごすのがヒトの親子の特徴だが、以上のプロセスをたどりながら、親子の相互自立が進行していくことが示された。以上の研究成果は、こども環境学会発行の学術雑誌、「こども環境学研究」に掲載が認められた。 子どもに描いてもらった地域のメンタルマップの分析や先のインタビューデータの分析がまだ残っているため、今後、そのデータをもとに発達的な変化を検討するのとともに、他地域(沖縄県など)との比較も実施する予定である。 150組を超える親子の6年にわたる追跡データは本邦では例数が少なく、今後、以上の成果を本にまとめるなどして、社会全般にも広く知ってもらいたいと考えている。
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