2019 Fiscal Year Research-status Report
他者軽視傾向が成人期初期の職場適応に及ぼす補償的効果の検証
Project/Area Number |
17K04380
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
小平 英志 日本福祉大学, 子ども発達学部, 教授 (00442228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 他者軽視 / 仮想的有能感 / 青年期 / 成人期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、他人を軽視することによって見せかけの高揚感を得る心理的傾向である仮想的有能感の概念に注目し、職場適応において他者軽視の補償的効果が見られるのかどうかを検証することであった。そのために、6年間の縦断調査を実施し、職場満足度、社会に対する意識等と他者軽視傾向との関連の検討を進めた。 3年目の2019年度は、対象者たちが就職2年目を迎える。当初の計画通り、2年目のフォローアップ調査(Time 6調査)を実施した。4月より調査の準備を進め、研究協力に同意が得られているTime 5調査の参加者211名に対して、7月末に調査用紙を郵送した。調査用紙の内容はTime 5調査と同様であり、他者軽視尺度(仮想的有能感尺度)とともに、現在の職場に関する質問項目(就業の有無、就業期間、職種、年収)、職業満足度とメンタルヘルスに関する指標、社会的被受容感尺度が含められていた。回答後の調査用紙の受け取り、フォローアップはがきの郵送、謝礼の郵送、領収書の受領と催促のはがきの郵送等の作業を経て、11月末までの回収率は48.8%となった。昨年度と比較して、回収率はやや減少したものの、6年目の調査としては許容できる値であった。調査後、これまでのデータとの連結処理を行い、現在は解析を進めているところである。11月にはTime 4までのデータを用いた解析結果について発表原稿をまとめ、32th International Congress of Psychologyにエントリーし、acceptされた(新型コロナウイルス感染症の蔓延のため開催は2021年に延期)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、Time 6の調査を終えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、6年間の縦断調査の解析を進める。
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Causes of Carryover |
日程の関係で予定していた学会での発表ができなかったこと、郵送調査の費用やデータ整理の費用が計画よりも安価で済んだ事による。次年度以降に国際学会での発表費用として使用する予定である。
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