2023 Fiscal Year Annual Research Report
Examining the compensatory effects of undervaluing others on workplace adjustment in early adulthood
Project/Area Number |
17K04380
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
小平 英志 日本福祉大学, 教育・心理学部, 教授 (00442228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 他者軽視 / 成人 / ストレス / 職場満足度 / 社会的被受容感 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに実施済みの6年間の縦断調査に加え、本年度は研究計画最終年度に予定していた横断調査が実施された。2023年7月に、データ収集会社を通して、18歳から60歳の就業中の対象者2000名(男性1000名、女性1000名、平均年齢47.96歳)に調査を行った。対象者は、最終学歴が高校卒業(n=1000)もしくは大学卒業(n=1000)であった。職場満足度、職業ストレス、社会的被受容感、精神的健康について、年齢、性別、学歴(step 1)、自尊感情、他者軽視(step 2)、自尊感情と他者軽視の交互作用項(step 3)を独立変数として投入した階層的重回帰分析を実施した。その結果、職場満足度、心理的な仕事の負担(量)、自覚的な身体的負担度、職場の対人関係でのストレス、職場環境によるストレス、技能の活用度の低さ、仕事の適性度の低さ、社会的被受容感の低さ、および精神的健康の低さ(K6)においては、いずれも自尊感情の有意な負の効果、他者軽視の有意な正の効果が確認された。また、心理的な仕事の負担(質)では、他者軽視の正の効果のみが確認され、仕事のコントロール度の低さでは、自尊感情の負の効果が見られた。加えて、働きがいの低さについては、自尊感情と他者軽視の交互作用が有意であり、自尊感情が低い群では他者軽視の効果は有意ではなかった一方で、自尊感情が高い群では他者軽視の正の効果が有意であった。すなわち、自尊感情が高い場合には、他者軽視の傾向の強さが働きがいの感覚を低める効果があることが示唆された。交互作用については仮説とは異なっており、他者軽視の補償的な効果は確認できなかったものの、他者軽視が自尊感情とともに、成人の職場における満足度やストレス、精神的健康、社会に対して抱く受容感等を予測する変数であることが示された。
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