2018 Fiscal Year Research-status Report
コミュニティ形成による高齢期のライフデザインの発達支援の検討
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17K04381
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
日下 菜穂子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70309384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 宣明 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (40217328)
武藤 崇 同志社大学, 心理学部, 教授 (50340477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ライフデザイン / 終末期 / 生きがい |
Outline of Annual Research Achievements |
孤立のリスクが高い高齢者への社会関与を促すプログラムおよび,生きがい追求の意欲の高い高齢者の生涯にわたる生きがい追求を支援するプログラムの開発を目的に研究を行なった。 当該年度内では、現在の生きがい追求と同時に、将来のライフデザインの重要性を考慮して、終末期の意思決定に重点を置き、フォーカスグループ・インタビューおよび、個別の訪問面接調査を行なった。終末期のライフデザインに関して、文化・宗教・老人観といった多様な側面の影響が予測された。そのため、我が国の高齢者の意思決定への影響因子を明らかにするために、安楽死が合法化されているスイス、近年に合法化されたカナダ、合法化されていないブータン・日本の4国間で調査法を統一し、比較検討することとした。対象とした高齢者は、フォーカスグループ・インタビューは6人、個別の訪問聞き取り調査は4人であり、約1時間のインタビューと死生観・宗教観の質問紙調査を実施した。その結果は、IAGG2019のシンポジウムで公表予定である。 高齢者の終末の過ごし方までを視野に入れ、生きがい追求のプログラムを改善し、地域高齢者8人を対象に計10回のセッションを実施した。プログラムはポジティブ心理学の知見に基づき設計されているが、従来の「強み」を見出すセッションに、「弱みVulnerability」を受容するSelf Conpassionの概念を取り入れた。老いや死の問題に向き合う上での「弱み」に対し、グループ内でのコミュニケーションを促し、自律的な選択と共感的な受容を促すセッションをめざし、プログラムを検討した。 プログラムの介入前後に、注意抑制機能およびPsychological well being の調査項目を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載の項目に追加して、人生終末のライフデザイニングの意思決定に関する半構造面接を実施した。国際比較のための調整等の関係から、一部計画に遅れが出たものの、現在ではほぼ順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況はほぼ計画どおりであり,今後は高齢者対象の調査および介 入プログラムの実施・を継続して進めていく予定である。なおハイリスク群を対象とした検証は、実践者の連携等の体制を整える必要があり、社会参加予備軍に 含まれる高齢者からなるグループ介入プログラムの実施による検証を行うことを具体的に検討する。
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Causes of Carryover |
次年度以降の予算執行にあたり、計画を事前にふまえて順次支出することとします。
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Research Products
(4 results)