2020 Fiscal Year Annual Research Report
An examination on a cultural difference in theory of mind among Japanese, Australian, and Iranian children
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17K04386
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
東山 薫 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (40563763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50211735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心の理論 / 幼児 / 実行機能 / 母子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイランの研究者より,幼児の心の理論発達の文化差を明らかにする目的で,日本,オーストラリア,イランの3カ国の比較を行う共同研究の話をもちかけられ,日本のデータをとる責任者として申請をした。初年度,何度もSkypeで打合せをし,実施する課題等を3カ国5名の研究者で意見交換を行った。予備調査を行う段になって日本以外の調査費用も支出するよう先方から依頼され,何度話し合っても研究費が取れなかった,の一点張りで共同研究から退く他方法がなく,オーストラリアとイランのデータを取ることはできなくなった。 日本でのみ調査を行うことになり,当初の計画よりも多くの課題を実施することにした。具体的には,3~6歳の幼児72名とその母親を対象に,子どもには心の理論を測定する課題として(1) 心の理論課題7課題,(2) 誤信念課題(予期せぬ中身タイプ1種と予期せぬ移動タイプ2種),実行機能を測定する課題として(1)赤/青課題,(2)タワー課題,(3)修正版DCCS,(4)単語逆唱スパン課題の他,説得課題を実施し,言語能力も測定した。母親には学歴や就業状況,経済状況を尋ねる質問への回答,実行機能を測定に慶應版ウィスコンシンカード分類検査を実施した。母子には(1)文字のない絵本読み,(2)ブロック課題,(3)指定のおもちゃを用いた自由遊びを行ってもらった。 その結果,従来言われているように心の理論と葛藤抑制やワーキングメモリに有意な相関が認められた。また,説得課題と心の理論にも有意な関連が見られた。世帯年収や父母の学歴,就業状況による心の理論成績の差は見られなかったが,母親の認知的柔軟性または葛藤抑制と子どものそれには有意な相関が見られ,母親の言葉の使い方との関連も見られた。母親の実行機能を測定した研究は見られないため,母子の関連を見いだせたことは意味があると考える。今後は他の国の母子も含めて検討したい。
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Research Products
(2 results)