2022 Fiscal Year Research-status Report
神経発達障害にともなう視覚情報処理困難の支援に向けた神経心理学的検討
Project/Area Number |
17K04387
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
加戸 陽子 関西大学, 文学部, 教授 (10434820)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞田 敏 広島文化学園大学, 学芸学部, 教授 (60098126) [Withdrawn]
荻野 竜也 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90335597) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 神経発達症 / 書字のつまずき / Rey複雑図形検査 / 視覚情報処理 / 神経心理学的検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では神経発達症をともなう子どもの書字のつまずきに対し、神経心理学的検査を中心とした各種心理アセスメントによる認知特性の検討を行い、教育的支援の一助となることを目的とする。 本年度も新型コロナウィルス感染症(COVID-19)流行下にあったため、データ収集の実施間隔を空けるなどの対策を講じつつ行ったため、収集データ数は十分とはいえない。本年度の研究実績としては、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)、限局性学習症(specific learning disorder: SLD)、ASDとSLDの併存を認めた7~15歳の子ども62名を対象に実施したRey複雑図形検査、KABC-IIの習得検査の検査成績、および各対象者の保護者による学童期用視覚関連症状チェックリスト(VSPCL)の評価結果について分析を行った。 ASD群およびASDとSLDの併存群では共にRey複雑図形の描画の正確性やプランニングの問題を認め、ASD群のプランニングの問題は KABC-IIのことばの書きの問題に関連する一方、併存群では図形描画指標の多くに問題を認めたが、ことばの書きとの関連は示されなかった。また、SLD群は図形描画の正確性に問題が示されたが、図の要素を分断して描く例がことばの書き評価点の高い群に多かった。保護者によるVSPCLの評価との関連では、ASD群における図形描画特徴とVSPCLの書字に関する項目との関連が挙げられた。ASD群とSLD群では図形描画方略が書字特徴を反映する可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)流行下にあり、本課題のデータ収集の手法が対面によってのみ実施可能であり、実施間隔を空けるなどの諸対策を講じつつ行ったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究協力機関と相談の上感染予防対策を講じ、協力者に十分な理解を得つつ遂行していく。
|
Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大に伴いデータ収集回数が減少したため。今後は、成果公表に伴う諸費用として使用していきたい。
|