2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児におけるネガティブではない泣きの表出と理解の発達
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17K04393
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
和田 由美子 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (70302362)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 泣き / 幼児 / 感情 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、泣きの理由の理解を幼児で調べるための紙芝居の内容検討と、幼児の泣きに関する保護者への質問紙調査の準備を行った。紙芝居は、登場人物が「嬉しい理由」または「悲しい理由」で涙を流し、「○○ちゃんの目から涙がこぼれました」で終わるストーリーとし、紙芝居を読んだ後に、その涙の理由について幼児に回答させることとした。「嬉しい理由」での泣きのストーリーは、現役の保育士・幼稚園教諭に実施した幼児におけるネガティブではない泣きの調査結果(平成29年度)をもとに、以下の4種類の場面を設定した。(1)ネガティブな出来事が起こり、その状況が解消される(例:友達と喧嘩したが、仲直りすることができた)、(2)努力を重ね、努力が報われる(例:発表会で一生懸命練習し、大成功を収めた)、(3)思いがけず、願いが叶う(例:ずっとほしいと思っていたおもちゃを、親戚のおじさんにプレゼントされた)、(4)特定の対象に感動する(例:美しい音楽を聴いた)。上記4種類の場面について複数のストーリーを作成し、保育関係者への意見聴取をもとに内容の精査を行った。本調査で使用するストーリーは、次年度に幼児に対する予備調査を行ってから確定する予定である。幼児の泣きに関する保護者への調査については、調査項目と調査方法を決定し、次年度にweb調査を行う方向で準備を進めた。 また、平成29年度に行った幼児におけるネガティブではない泣きの調査の研究成果について、共同研究者の井﨑美代氏との連名にて、日本心理学会でポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
保護者への調査については、複数の保育所に保護者への質問紙の配布・回収を依頼してデータ収集を行う予定であったが、保育所への依頼が難しく、目標のデータ数の確保が困難になることが予想されたため、調査方法をweb調査に変更することにした。平成30年度は前半に保護者への質問紙調査、後半に幼児への面接調査を行う予定であったが、保護者への調査方法の変更により、計画全体に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
保護者への調査と、幼児の面談調査のリクルートを連動して計画していたため、保護者への調査実施の遅れが、幼児の面談調査の遅れに直接つながってしまった。今後は保護者への調査と幼児への調査を切り分けて進める。保護者への調査はweb調査で実施することとし、今年中にデータ収集、データまとめを完了する。web調査と並行して幼児の予備調査を完了し、年度内になるべく多くの本調査データを集めることを目標とする。
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Causes of Carryover |
質問紙調査、面接調査の実施が遅れたため、調査・データ整理協力者への人件費・謝金、調査参加者へのお礼のための粗品、面接調査の様子を撮影するためのビデオカメラ購入費、データ分析のためのソフトウエア購入の費用が発生しなかった。ビデオカメラ、データ分析ソフト、面接調査参加者への粗品、調査協力者への人件費・謝金は、次年度に使用である。保護者への質問紙調査をweb調査に変更することになったため、web調査関連経費への転用が可能かを検討する。 次年度に国際学会出席のための旅費を計上していたが、研究の遅れにより次年度内開催の学会エントリーができていない。次年度12月までに国際心理学会(ICP)へのエントリーを行い、2020年7月に国際学会での発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)