2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児におけるネガティブではない泣きの表出と理解の発達
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17K04393
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
和田 由美子 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (70302362)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 泣き / 幼児 / 感情 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は昨年度に引き続き、(1)幼児の泣きの表出に関する保護者への質問紙調査、(2)ネガティブではない泣きの理解に関する幼児への面接調査のための準備を行った。(1)については、平成30年度中に調査項目をほぼ確定し、web調査によって実施する方向で準備を進めた。(2)については、平成30年度中に4種類の異なる場面における嬉しい理由での泣きのストーリーを準備したが、本調査に向けて予備的な検討を行った結果、4場面の調査を1度に行うことは幼児への負荷が大きすぎると考えられた。そのため、調査に用いる泣きの場面をA:ネガティブな出来事が起こり、その状況が解消されて泣く(仲良し3人組で仲間はずれが起こり、気まずくなったが仲直りする)、B:努力を重ねて努力が報われる(運動会までに跳び箱を頑張って練習し、本番で成功する)の2つに限定し、現役の保育者に依頼してオリジナルストーリーの紙芝居を作成した。また、泣きのストーリーの理解とその他の発達指標との関連についても検討するため、面接調査時に保護者に対してKIDS乳幼児発達スケール(用紙タイプC)への回答も求めることとしたほか、「悲しみ」「喜び」「怒り」「恐怖」が生じる文脈の理解を調べるためのオリジナル絵カードの作成も行った。年度内に幼児の面接調査の手続きについてはほぼ確定できたが、(1)および(2)ともに年度内の本調査実施には至らなかった。 平成29年度に実施した、保育者を対象とした幼児におけるネガティブではない泣きの直接観察経験についての分析結果は、本年度に学内紀要論文として刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査の準備はほぼ完了したが、Web調査の依頼先が定まらなかったこと、学内研究倫理審査委員会への申請が間に合わなかったことから、年度内に調査に着手することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査開始の遅れのため、研究期間の延長を申請した。研究倫理審査委員会の承認を受けて、今年度中に必要なデータの収集を完了する。新型コロナウィルス感染症の影響で、対面での面接調査難しくなったため、Zoom等を用いたリモート面接調査に切り替える予定である。
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Causes of Carryover |
理由:調査実施の遅れのため、調査協力への人件費・謝金、国際学会出席のための旅費が発生しなかった。 使用計画:調査協力への人件費・謝金については、次年度の調査実施時に使用予定である。保護者への質問紙調査をweb調査で実施することになったため、旅費相当分をweb調査関連経費に転用したい。
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Research Products
(1 results)