2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の感情コンピテンスを支える文化的要因の検討-感情表出機能に着目して-
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17K04395
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
芝崎 美和 新見公立大学, 健康科学部, 准教授(移行) (00413542)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感情表出 / 向社会性 / 攻撃性 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.感情表出の困難さが保育者による幼児の特性理解に与える影響 本研究の目的は、幼児の社会性についての保育者の理解に、幼児の感情表出の有無が影響するかを検討することであった。4、5歳児を対象に、感情表出が困難である子どもとそうでない子どもを数名ずつ選出し、向社会性と攻撃性に関する保育者評定を実施した。さらに、遊びや生活の場面でタイムサンプリング法を用いた観察研究を実施した。対象児の向社会性と攻撃性についての保育者による認知と、対象児の実際の行動との間に関連がみられるか、また、関連の程度に、感情表出の困難さの有無による影響がみられるかについては、今後分析を行う予定である。 2.感情表出の困難さが他児による幼児の特性理解に与える影響 当初2019年度に実施予定であった、本調査は、過年度において既に実施済みであり、幼児は、表情情報と行動情報が拮抗する場面において他児の特性を判断する際に、行動情報よりも表情情報を優先的に用いることが確認された。すなわち、向社会的行動を示したとしても、表情がネガティブであれば「意地悪な子」と判断し、同様に、ポジティブな表情で攻撃的に振る舞う他児のことは「優しい子」と判断する。このような特性理解は、関係維持欲求にまで影響することから、とりわけ向社会的行動に関しては、行動に即した表情を示すことが重要であることが示された。これらの研究知見について、2019年度では成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集に関しては、計画通りに遂行された。しかし、本学改組に伴う想定外の業務が長期的に課せられたため、データの分析や成果発表を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
データは収集済みであることから、本年度では収集したデータの分析を予定通りに実施する。
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Causes of Carryover |
データ分析に関連する物品購入費、人件費のほか、成果発表費に使用する。
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Research Products
(4 results)