2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症予防を目的とした回想法が老年期の認知機能に及ぼす効果に関する研究
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17K04398
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
細川 彩 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (00451500)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グループ回想法 / 記憶 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
回想法は、抑うつ軽減やQOLにポジティブな効果を持つことから認知機能の改善が示唆され、一般的に認知症患者に対し実施されている。しかしながら、認知症対策を目的に健常高齢者を対象に回想法が実施されることはあまり多くなく、回想の心理的効果を検証するために、記憶や認知的側面に焦点を当てた研究は少ない。そこで、健常成人を対象とした 予備的な研究を実施した結果、認知機能及び記憶検査において改善が認められた。 本研究では、回想法が老年期の認知機能に及ぼす効果について検証することを目的に、標準化された心理尺度を用いることに加えて、回想法で得られた語りの内容分析を多角的に行っている。 実施方法としては、すべての対象者にグループ回想法を実施し、グループ回想法による介入期間を挟んで、①研究開始前、②研究実施中、③研究終了後に認知機能及び記憶と抑うつ尺度による測定を合計三回実施し、介入の効果を検証した。評価項目に関しては、認知機能、記憶、抑うつ尺度を用いた。予備的研究において、認知機能、記憶、及びQOL検査を実施した際、QOLにおいて変化が見られなかった為、本研究では抑うつ尺度を用いた。 令和2年度は、研究開始時からのデータ収集を継続し、途中経過の成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染対策の為、データ収集を中断せざるを得ない状況となった。現時点までに得られたデータの整理を行い、解析に向けての準備を行っている。データ解析の進捗状況に応じて成果発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は、研究開始時から現時点までに得られたデータを解析し、随時成果発表を行う予定である。評価項目による量的なデータ解析を行い、認知症対策としてのグループ回想法の効果について検証する。また、個々のナラティブデータを多角的に解析し、評価項目によるデータとの関連性についても検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響による令和2年度の研究計画修正に伴い、予算執行にも修正が必要となった為。
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Research Products
(1 results)