2021 Fiscal Year Annual Research Report
Building and trial of the educational training program for the family support at children's residential home by psuchotherapists .
Project/Area Number |
17K04403
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田附 あえか 筑波大学, 人間系, 助教 (60550556)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 児童養護施設 / 家族支援 / 心理職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では児童養護施設(以下施設と略記)における家族支援研修プログラムを試案し,試行及び受講者による質問票の回答の分析を通して,有効な研修プログラムの構築を目的とした。本研究は筑波大学人間系倫理委員会の承認を受けた(課題番号:筑2020-191A)。 研究1として、施設における家族支援担当者への半構造化面接,施設および市町村において,試行的な研修プログラムとその前後の質問紙調査(計5回)を実施し、研修プログラムに含まれるべき内容について検討した結果、施設における家族支援に関する研修には,家族システム論を主軸とする家族支援関連理論,心理学的アセスメント,心理臨床的実践スキルの伝達,他職種連携の4点を含むことの重要性が確認された。 研究2では,研究1で考案した研修プログラムを試行して参加者の反応や効果に関するデータを収集し,プログラムの向上を図るとともにその意義を検討することを目的とした。対象は施設における家族支援の心理的側面に関心のある現任者とした。縁故法で募集を行い、35名が参加、職種は心理職やFSWなどであった。研修方法はオンラインによる動画視聴とし、2021年7月~9月までの全5回行った。動画の長さは45分~95分,平均71.4分だった。調査方法は、研修動画視聴の事前、事後、フォローアップの計3回のオンライン調査を実施し、研修の理解度、役立ち度などを5件法で尋ねた。その結果、研修の理解度などに関しては平均4.1以上の高い評価を得た。施設の家族支援は、管理職等中核的な職員が担っていることが多く、心理職が関わる仕組みのない施設も多い。しかし本研究では心理職以外の専門職からも,心理的視点から家族支援を捉え直すことの意義が改めて指摘され、心理的側面からの研修受講によって,家族支援が施設の子どもたちや家族等に有意義であることを(再)認識し,関与の意欲を増すという効果が示唆された。
|
Research Products
(1 results)