2017 Fiscal Year Research-status Report
児童・思春期に受けた認知行動療法についての成人青年を調査対象とした後ろ向き研究
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17K04409
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神村 栄一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80233948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 恒彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60589084)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 児童期 / 思春期 / 後ろ向き研究 / 半構造化面接 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下を計画した。①5年間の研究計画の再調整、②新潟大学研究倫理審査申請の準備、および、③関連研究機関への研究協力の依頼、④先行研究の調査の継続。 ①については、本研究課題のメンバーで、協力依頼の対象の条件、20才未満で受けた支援が「認知行動療法」(対照として認知行動療法でない支援も含む)の定義、介入開始および終結からの経過年数の範囲、改善度の指標(評価尺度含み)の確保、主訴や診断の範囲、評定尺度、および構造化面接での情報収集項目、面接の状況の配慮、謝金(交通費等経費について含む)額、その他を確認した。研究デザイン全体をその日程含み再整備した。 ②については、人を対象とする研究等倫理審査委員会に申請し承認を得た。③については、研究計画のあらましを説明し、一定の要件(倫理的配慮について含む)を満たした場合に限定して了承を得た。④については、関連する論文を収集し、関連学会等でも専門家からパーソナルコミュニケーションとして情報を得た。 実施する半構造化面接については、児童・思春期の精神疾患の予後、児童・思春期の認知行動療法に詳しい精神科医の助言・チェックを得た。プログラムを完成した上で、臨床心理学や特別支援教育、精神医学を学ぶ大学院生を対象として、予備調査を行った。その結果、10代で不登校を経験し社交不安障害の診断を受け高校時代に認知行動療法(認知再体制化の支援中心)を受けた方で、20代で本研究に積極的な協力を申し出てくださった方に、構造化面接の実施上の助言等を頂いた。それらを、本調査の介入計画に反映させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の細部の調整に当初の計画よりもさらに細かな確認が必要となり、それらに予想以上の時間が必要となった。そのため、研究倫理審査申請の手続きが遅れてしまい、予備調査もまだ、不十分なまま、年度末を迎えてしまった。これらのことから、全体の研究計画の進捗が、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度の前半から、研究協力を得た研究機関、医療機関、臨床心理オフィスから相談記録やカルテから以下に該当する事例のピックアップを開始し、郵送により協力者候補に調査協力を求める。条件にかなう調査協力者への協力依頼と質問紙と半構造化面接によるデータ収集を継続する。国内の認知行動療法関連の学会である、日本認知・行動療法学会第44回大会(10月に都内で開催予定)において、平成29年から30年前半にかけて収集されたデータを発表する。今後の研究の方向性、データ収集のヒントを得る。
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Causes of Carryover |
平成29年度に計画していた、研究分担者田中恒彦の、滋賀医科大学への調査旅費1件分が、平成29年度内に、相手方附属病院との打ち合わせにおいて、実施困難、平成30年度に先送りとなったため。平成30年度に予定どおり、実施する計画である。
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