2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化する大学における学生のメンタルヘルス促進を目指した予測的研究
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17K04410
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 恵 北陸先端科学技術大学院大学, 保健管理センター, 准教授 (10416183)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グローバル / 大学生 / メンタルヘルス / 予測的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度までに予定していた研究成果発表に遅延が生じたため,令和2年度への研究補助事業期間延長を行った。令和2年7月には32rd International Congress of Psychology(ICP:チェコ共和国)において,縦断的研究の成果についてポスター発表を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大により令和3年7月に開催延期(オンライン開催)となった。そこで,ICPでの発表は取り下げ,論文投稿準備を優先することとし,令和3年度中に学術論文として公表できるよう作業を進めている。 また,本研究課題では令和元年度までに,日本人学生・留学生ともに,精神症状の低減にはレジリエンスのうちの肯定的な未来志向の促進が有用であることが示され,肯定的な未来志向を高め得る要因のひとつとして先延ばし行動の変容が候補として示唆された。この点について検証するために,令和2年度には一連の研究課題とは別途,先延ばし行動と肯定的な未来志向が精神症状に与える影響について横断的な調査を行った(所属研究機関からの研究費によるもの)。その結果,先延ばし行動の強さと肯定な未来志向の強さは負の相関があり,先延ばし行動は精神症状を強め,肯定的な未来志向は精神症状を弱めるが,先延ばし行動から精神症状への影響は日本人学生の方が留学生よりも大きいことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度に国際学会にて研究成果発表を行い,その後学術雑誌に論文投稿予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大のため開催延期となり,成果発表の予定を再考する必要が生じた。国際学会発表は取り下げとし,令和3年度中の学術雑誌での研究成果公表を目指して作業を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度までに完了している大学生のメンタルヘルスを予測する要因を検討するための縦断的研究の成果について,令和3年度中に学術雑誌において公表予定である。また,令和2年度に補足的に行った,先延ばし行動を含めた調査結果についてはInternational Congress of Behavioural Medicine(令和3年6月:英国,オンライン開催)で発表予定であり,その後学術雑誌に投稿予定である。これらの研究成果をもとに,これまでに行っていた介入プログラムの原案をさらにブラッシュアップさせていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初,令和2年度にはInternational Congress of Psychology(ICP:チェコ共和国)での研究成果発表を行う予定であり,そのための旅費や成果発表に係る経費を計上していた。しかし,新型コロナウイルス感染拡大によりICP自体が1年延期となり,令和3年度の開催もオンライン開催に変更となった。そのため,ICPでの成果発表はキャンセルし,学術論文投稿を優先させることとした。当初旅費として使用予定だった予算は,論文のオープンアクセス等の経費に変更予定である。
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