2018 Fiscal Year Research-status Report
「関係促進スキル」を加えた新しい特別支援教育コーディネーター養成プログラムの開発
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17K04419
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松岡 勝彦 山口大学, 教育学部, 教授 (70312808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 邦彦 山口大学, 教育学部, 准教授 (70533694)
大石 幸二 立教大学, 現代心理学部, 教授 (80302363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンサルテーション / 関係促進スキル / 特別支援教育コーディネーター養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に、①本研究が規定した標的スキル(応用行動分析についての知識、問題解決スキルならびに関係改善スキル)についての介入支援、②学外の専門家を招聘した研究会の実施、③学会における本プログラムに関する情報収集と打ち合わせを実施した。 ①については、平成30年度長期派遣研修教員5名と現職の特別支援教育コーディネーター1名を対象に実施した。具体的には、前期(4~7月)において講義・演習によるスキル形成を行い、主に後期(9月~3月)において原籍校における実習とそれぞれの教員に対するビデオ一斉フィードバックや個別フィードバックを通して、スキルの実践的活用を試みた。また同時に、ペーパーテスト(ABA基礎知識理解到達度テスト:谷・大尾,2011)も実施し、理論と実践の往還についての知見も検証した。その結果、特に実践と(一斉、あるいは個別の)フィードバックを通して標的スキルが形成・活用される様子が確認された。ただし、昨年度と同様に、教員個人の既存の知識や実績がコンサルテーションのスタイルに影響し、知識では理解していても、標的スキルの活用に至らなかった事例も確認された。 ②については、上記教員に加え、平成29年度本研究に参画した長期研修教員や県内の教員にも参画してもらい、学外の専門家から研究の評価や今後のアドバイスなどを得た。また、平成29年度本研究に参加した教員に対しては、本研究の介入の維持について量的・質的側面からデータを収集し、その効果が維持されていることを確認した。 ③については、9月の特殊教育学会に参加し、平成29年度本研究に参加した長期研修教員の行動コンサルテーションの実践データを発表するとともに、これらに関係する現職教員や大学の専門家と本研究の知見について意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の長期研修教員に対しては、順調に研究を実施できた。しかし、教員の校種の偏りについては、今後も留意が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成31年度の長期研修教員に介入を行うとともに、平成30年度の長期研修教員に対して追跡調査を行い、介入効果の維持や課題の洗い出しを行う予定である。また可能であれば、現職教員にも研究協力を依頼し、校種の偏りなども可能な限り是正したい。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、大学の既存物品や初年度に購入した物品などを活用したため、物品費に余剰が生じた。 平成31年度は、前年度の長期研修教員の追跡調査や学会発表なども予定されており、旅費の増大が予想される。そのため、平成30年度の繰り越しをこれらに充当する。
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