2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者を対象とした万引きの再犯防止プログラムの開発およびその効果の検証
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17K04421
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大久保 智生 香川大学, 教育学部, 准教授 (30432777)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 万引き / 再犯防止 / クレプトマニア |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は再犯防止プログラム開発のため、精神科医63名を対象として、万引きを繰り返すことはどのようにとらえられるのかについてWEB調査を行った。調査内容としては、クレプトマニアの診断の経験やクレプトマニアに対する認識について回答を求めた。その結果、診断の経験をしたことがある精神科医は約7割いることが示され、経験にばらつきがあることが示された。クレプトマニアの診断は難しく、積極的に診断することには是非が問われていることが示唆された。クレプトマニアの診断は難しいと思っている精神科医が約8割いることが示された。また、DSM-5の基準を緩和して、積極的にクレプトマニアの診断をしていくことについてしたほうがいいと思う精神科医としないほうがいいと思う精神科医がほぼ半々であることが示された。クレプトマニアの診断がつくと減刑されることを知っている精神科医が約6割いることが示された。クレプトマニアのふりをしている人がいると思う精神科医が約8割いることが示された。クレプトマニアは責任能力があると思う精神科医は約9割いることが示された。クレプトマニアは更生可能だと思う精神科医は約6割いることが示された。教育プログラムが必要であると思う精神科医は約9割いることが示された。以上の結果から、保安員や弁護士を対象とした調査と同様に精神科医を対象とした調査でもふりをしている人がいることも示唆され、教育プログラムの必要性も明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は2018年度に万引きを繰り返す人たちの自助グループなどの調査を予定していたが、それ以上に研究として意義のある精神科医を対象とする調査を実施することが可能になったため、精神科医を対象としたWEB調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、これまでの調査結果を踏まえ、万引きを行う高齢者を対象として、プログラムを開発し、実施し、その効果について検討していく予定である。また、WEBでも実施可能な教育プログラムを開発していく予定である。
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Causes of Carryover |
WEB版の万引き防止教育プログラムの完成が本年度にずれたため、次年度使用額が生じることとなった。本年度は高齢者向けの教育プログラムを開発し、さらにWEB版の万引き防止教育プログラムを完成させる。
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