2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Metacognitive Training for Employment Support in Adults with Autism Spectrum Disorder
Project/Area Number |
17K04426
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
池田 望 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00274944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 隆文 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60516730)
横山 和樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (10580053)
大山 恭史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80356675) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタ認知 / 尺度 / ASD / 成人期 / 就労支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で実施したのは1.ASDの特性を踏まえて就労場面を念頭に置いたメタ認知尺度の作成、および2.メタ認知トレーニング法の開発に関わる検討である。 メタ認知尺度においては既存尺度の尺度項目の因子分析を参考に、三宮によるメタ認知の分類である「メタ認知的知識」のうち「人間の認知特性についての知識」、および「メタ認知的活動」のうち「メタ認知モニタリング」と「メタ認知的コントロール」に該当する尺度項目の抽出を行い、併せて成人期ASD者への半構造的インタビューデータから社会的認知を主とする自身の認知的特徴理解、気分状態などへの気づき体験、困った事態への対処方法に焦点を当て抽出を行った。結果、合計72項目を抽出することが出来たが、見直しの過程で臨床的有用性を踏まえての簡素化を図るために、メタ認知活動に限定してモニタリングとコントロールの二次元を想定した項目整理を行った。Teasdaleらの脱中心性を伴った認知や感情体験であるメタ認知的知覚レベルの影響を踏まえた項目の再検討も行ったが、構成概念から知覚レベルの項目への反映は妥当性に欠けるとの判断に至っている。 メタ認知トレーニング法の開発に関しては、既存の統合失調症を対象としたMCT、うつ病を対象としたD-MCT、自己調節実行機能モデル(S-REF)に基づくメタ認知療法(MCT)等を参照してプログラムを作成した。ASDの診断基準や障害特性を踏まえ、心の理論をはじめ生じやすい感覚・知覚の問題、ネガティブイベントに関する原因帰属、「こだわり」症状に関連する思考の柔軟性、注意力、就労場面を模したなかでの社会的失言、そして共感の6テーマから構成している。 尺度については健康関連尺度の選択に関する合意に基づく指針(COSMIN)をあらためて参照しながら進めている他、トレーニングの効果検証についても現在進行形であり、今後の課題として継続していきたい。
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