2021 Fiscal Year Research-status Report
「継続する絆」の概念分析と関連要因の実証的検討: 新たな悲嘆理論の構築に向けて
Project/Area Number |
17K04430
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山中 亮 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (20337207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 恭子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80361004)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 継続する絆 / 悲嘆 / 死別 / 概念分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
大切な人との死別は誰もが経験しうるものであるが,時に強い心理的衝撃を与えるライフイベントにもなり得る。本研究では,こうした死別に伴う悲嘆プロセスにおいて近年注目されている「継続する絆」概念を再検討することを目的とする。「継続する絆」のあり方には文化の影響が大きく反映することが想定され,欧米とは異なった「継続する絆」のあり方が日本にはあるのではないかと考えられる。 そこで,我が国において親密な人を喪った後に遺された人々は故人とどのような関係を築いていくのかを明らかにし,実証的検証に基づいた我が国における新たな悲嘆理論の構築を目指す。 まずは「継続する絆」についての概念分析を行い,「継続する絆」の形成・変容に関する仮説モデルを提案する。概念分析は,1概念を選択する,2分析の狙いまたは目的を決定する,3選択した概念について発見したすべての用法を明らかにする,4選択した概念を定義づける属性を明らかにする,5モデル例を明らかにする,6補足例を明らかにする,7先行要因と結果(帰結)を明らかにする,8経験的指示対象を明らかにする,の8段階から成っている。 昨年度は概念分析を行った結果に基づいて,仮説モデルを再検討した。それを踏まえて,先行要因に関する実証的検討を行う予定であったが,コロナ感染拡大の影響もあり,今年度実証的検討の実施はできていない。 今年度は,仮説モデルを精査して,実証的検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染拡大の影響による授業形態変更に伴う授業準備の負担,臨床心理士及び公認心理師養成に関わる実習指導等の業務増加といった,研究以外の業務でかなりの時間を費やさざるを得なかったため,研究に費やす時間がほとんどとることができず,遅れています。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は,「継続する絆」の形成・変容に関するモデルに即して,継続する絆に影響を及ぼす要因の実証的検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染拡大の影響,研究以外の業務の増加に伴い,当初行う予定だった調査の実施ができず,また学会参加もできなかったため,次年度の使用額とした。
|