2022 Fiscal Year Research-status Report
「継続する絆」の概念分析と関連要因の実証的検討: 新たな悲嘆理論の構築に向けて
Project/Area Number |
17K04430
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山中 亮 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (20337207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 恭子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80361004)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 継続する絆 / 悲嘆 / 死別 / 概念分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
身近な大切な人との死別は,遺された人々に強い心理的衝撃を与える場合があり,健康上の問題に発展することもある。本研究では,こうした死別に伴う悲嘆プロセスにおいて近年注目されている「継続する絆」概念を再検討することを目的とする。「継続する絆」のあり方には文化の影響が大きく反映することが想定され,独自の「継続する絆」のあり方が日本にもあるのではないかと考えられる。我が国において親密な人を喪った後に遺された人々は,死別経験後故人とどのようなプロセスでどのような関係を築いていくのかを明らかにし,実証的検証に基づいた我が国における新たな悲嘆理論の構築を目指す。 まずは我が国における「継続する絆」についての概念分析を行い,その結果に基づいて,仮説モデルを再検討した。概念分析では,概念分析は,1概念を選択する,2分析の狙いまたは目的を決定する,3選択した概念について発見したすべての用法を明らかにする,4選択した概念を定義づける属性を明らかにする,5モデル例を明らかにする,6補足例を明らかにする,7先行要因と結果(帰結)を明らかにする,8経験的指示対象を明らかにする,の8段階から成っている。 この概念分析の結果に基づいて,先行要因に関する実証的検討を行う予定であったが,コロナ感染拡大の影響と本務の業務が多忙なため,調査の実施ができていない。 今年度改めて仮説モデルを精査して,実証的検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 コロナ感染拡大の影響による授業形態変更に伴う授業準備の負担,さらに臨床心理士及び公認心理師養成に関わる実習指導等教育面の業務とともに大学内の管理運営上の業務の増加といった,研究以外の業務でかなりの時間を費やさざるを得なかったため,研究に費やす時間がほとんどとることができず,昨年度に引き続い遅れています。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度となるため,我が国の継続する絆の在り方に影響を及ぼす要因の実証的検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
調査を行う予定であったが,その調査の実施に至っておらず,調査にかかる経費の使用ができなかった。次年度は調査費用として使用するとともに,成果発表にもつなげたいと考えている。
|