2018 Fiscal Year Research-status Report
ネット上における攻撃行動の促進要因と抑制要因の検討
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17K04438
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森本 幸子 東北医科薬科大学, 教養教育センター, 准教授 (10398539)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SNS / 攻撃行動 / 規範意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度はSNS上での攻撃行動の促進要因と抑制要因の検討を目的に研究を行った。 第1回調査は、平成30年9月に10代から30代の若者1800名を対象にオンライン上で実施し、第2回調査は、第1回調査参加者のうち900名を対象に平成31年3月にオンライン上で実施した。 その結果、第1回調査に参加した1800名の被験者のうち、調査当時にSNSを利用している者は1708名であった。被験者の平均SNS利用期間は、5年1か月であり、また調査前1週間の平均SNS利用日数は、5.1日、1日当たりの平均利用時間は1.5時間であった。第2回調査参加者の調査前1週間の平均SNS利用日数は5.3日、1日当たりの平均利用時間は1.5時間であり、第1回調査から6カ月後の第2回調査でも、SNSの利用に大きな変化は見られなかった。使用されているSNSは2回の調査ともに、LINE、Twitter、Instagramの順に多かった。 2回の調査に参加した900名を対象に、第1回調査時点での、SNS利用時間、現実場面での攻撃行動、SNS利用規範意識、自己受容、パーソナリティ、同調傾向が、2回目の調査でのネット上での攻撃行動にどのような影響を与えるのかを検討するために、2回目のネット攻撃行動得点を目的変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)を実施した。その結果、1回目のネット上での攻撃行動を統制した場合、SNS利用規範意識のみが有意な影響を与えていた(説明率38%)。本研究の結果より、SNS利用についての規範意識の低さが、ネット上での攻撃行動を促進する要因であることが明らかとなった。先行研究の指摘とは異なり、ネットの利用時間はネット上での攻撃行動の促進に関与していなかった。なお、第2回調査の6か月後に再度追跡調査を実施する予定であるので、これらの結果が第3回調査でも見られるのかどうか引き続き検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オンライン調査はほぼ計画通りに実施しているが、データ分析がやや遅れている。第2回目の調査データの収集が3月末であったために、年度末、年度初めで他の業務に追われて、分析に割く時間がなかなか確保できなかったことが原因であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年9月に第3回オンライン調査を実施する予定である。その後、第1回調査から第2回調査までのネット攻撃行動の変化量、第2回調査から第3回調査までのネット攻撃行動の変化量に対する、ネット利用時間、規範意識、現実場面での攻撃行動、自己受容の程度、パーソナリティ、他者への同調傾向の影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に開設予定であったホームページであるが、平成29年度の研究の進行が遅れてしまったために開設せず、平成30年と平成31年に実施する3回の縦断調査の結果の公表と合わせて開設することとした。次年度使用額はホームページの開設費と運営費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)