2020 Fiscal Year Research-status Report
ネット上における攻撃行動の促進要因と抑制要因の検討
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17K04438
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森本 幸子 東北医科薬科大学, 教養教育センター, 准教授 (10398539)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SNS / 攻撃行動 / 規範意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、平成30年度、令和元年度に引き続き、オンライン調査を用いて、SNS上での攻撃行動が生じる原因について、縦断的にデータを収集して分析を行った。 令和2年12月、令和1月、2月の3回において、10代から30代の若者を対象に調査を行った。第1回目の調査には518名が参加した。このうちの415名が第2回の調査に参加し、最終的に3回の調査のすべてに参加したのは260名(男性130名、女性130名、平均年齢26.64±6.9)であった。調査では、SNSの利用歴、SNSの利用状況、よく使用しているSNSの種類などに加えて、SNS上における攻撃行動の頻度、現実場面での怒り、SNSの利用における規範意識、パーソナリティ、対人関係における受容体験と拒絶体験を3回の調査を通じて継続的に測定した。 現在分析を進めている途中であるが、各調査時点での過去1か月間の対人関係での拒絶的な経験とSNS上における攻撃行動との間に有意な正の相関関係が確認されてた。しかし、現実場面での怒りやパーソナリティとSNS上の攻撃行動との間に有意な相関関係は見られなかった。 今後は交差遅れモデルを用いて、因果関係にさらに踏み込んだ分析を行い、SNS上の攻撃行動が現実場面での対人的な拒絶を招くのか、それとも反対に、現実場面での対人的な拒絶によってSNS上での攻撃行動が増加するのかについて明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度までに得られた研究成果をまとめ、今年度は学術学会または学術雑誌、およびホームページ等で公開する予定であり、現在までにその準備を進めている
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって得られた成果は、日本心理学会第85回大会(明星大学)または学術雑誌に投稿する予定であり、現在そのための分析を進めている。 また、今回得られた結果を公表すべく、現在研究公開用のホームページの開設を進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延のために学会がオンライン開催となり、旅費がかからなかったため、残金が発生した。残金分は、今年度、研究成果の発表用のホームページを整備する代金に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)