2018 Fiscal Year Research-status Report
軽躁チェックリスト他者評価版を用いた効果的な双極性障害のスクリーニング法の開発
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17K04440
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| Research Institution | Atomi University |
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Principal Investigator |
酒井 佳永 跡見学園女子大学, 心理学部, 准教授 (60349008)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 気分障害 / 家族支援 / スクリーニング検査 / 双極性障害 / 感情表出 / 評価尺度 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、2017年度に引き続き、東京、大分、新潟、鹿児島の医療機関からの協力を得て、軽躁チェックリスト本人評価版（Hypomania Check List-33：HCL-33）および軽躁チェックリスト他者評価版（Hypomania Check List-33 External Assessment；HCL-33EA）の信頼性と妥当性を検討するための多施設調査を実施した。現在も調査を継続中である。
また東京都内の医療機関に入院中の気分障害患者の家族16人を対象に、HCL-33EAを実施し、同時に臨床心理士および主治医が構造化面接（World Mental Health Composite International Diagnostic Interview：WMH-CIDI）を用いた診断を行い、この診断を基準としたときのHCL-33EAの信頼性と妥当性検討を行った。その結果、HCL-33EAは、カットオフポイント13/14としたとき、感度0.70、特異度0.71であり、ROC曲線の曲線下面積（AUC）は0.79であり、家族が評価したHCL-33EAは、気分障害患者のなかから双極性障害患者をスクリーニングする際に一定の有用性があると考えられた。
これと平行して、インターネット調査会社のモニターを対象として、配偶者がHCL-33EAを用いて評価した患者の軽躁傾向が家族の負担感、抑うつ、感情表出（Expressed Emotion；EE)におよぼす影響について検討を行った。その結果、HCL-33EAの得点は家族の負担間を介して感情表出に影響をおよぼしていることが明らかになった。これらの結果から、HCL-33EAを用いて家族による軽躁傾向の評価することは、家族の高い負担感や家族の高EEを把握し、家族への支援の必要性を把握することにも役立つことが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設共同研究を依頼していた医療機関において、調査協力医師の退職および異動があった。そのため、予定よりもデータ収集が遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2018年度に引き続き、軽躁チェックリスト本人評価版（Hypomania Check List-33：HCL-33）および軽躁チェックリスト他者評価版（Hypomania Check List-33 External Assessment；HCL-33EA）の信頼性と妥当性を検討するための多施設調査を実施する。
調査協力医師の異動などによる研究の進捗の遅れに対しては、2018年度に新たな協力施設を加えることにより対応している。2019年度も引き続き調査を実施するとともに、新たに調査協力を得られる施設を検討する。
また家族によるHCL-33EAを用いた軽躁症状の評価と患者本人によるHCL-33を用いた軽躁症状の評価の関連や、患者本人による評価と家族による評価、および両者の不一致が、それぞれどのような要因と関連するかについての検討も行う予定である。
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| Causes of Carryover |
協力医療機関のスタッフの異動や退職により、予定よりも対象者の募集が遅れている。今年度は、新たな調査協力機関を募り、調査を実施する予定である。そのため、次年度使用額については、新たな協力施設における評価スタッフの研修および打ち合わせの実施にかかる謝金や旅費、研究協力者への謝金等に使用する予定である。
また2019年度は最終年度であるため、調査によって得られたデータの解析に用いるソフト、および研究成果の発表にかかる旅費、印刷費、業務委託費（英文校正等）なども必要となる。
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Research Products
(1 results)
