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2017 Fiscal Year Research-status Report

心理支援を要する学生の特徴とその経年変化及び自死の危機要因に関する横断・縦断研究

Research Project

Project/Area Number 17K04450
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

山田 裕子  北里大学, 健康管理センター, 准教授 (80626812)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 守屋 達美  北里大学, 健康管理センター, 教授 (50191052)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsこころの健康調査 / アウトリーチ活動 / スクリーニング / K10 / 要心理支援学生の特徴
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、平成29~31年度の3年間、年度ごとに北里大学相模原キャンパスに所属する学部生全てを対象に「こころの健康調査」を実施し、スクリーニング尺度でカットオフポイントを超えた学生を対象に電話・面接によるアウトリーチ活動を行う臨床実践研究である。心理支援を要する学生を早期に発見し支援につなげることを臨床実践の目的にするとともに、この取り組みによって心理支援を要すると判断された学生の特徴について、横断的・縦断的に分析し、明らかにすることを目的としている。
平成29年度は、4月3~7日の新年度ガイダンス期間中に「こころの健康調査」を実施した。調査対象者は調査時に北里大学相模原キャンパスに在籍していた学部生5238名であり、内4677名(89.3%)が回答した。そのうち、スクリーニング尺度として使用したK10の合計得点が15点以上の学生622名(11.9%)について、心理支援を要する可能性が高いハイリスク学生と判定した。また、ハイリスクではないが、学生相談室の利用希望に関する質問においてすぐに利用したいと回答した学生22名についても、心理支援を要する学生と判断した。それらを併せた644名の学生のうち、既に学生相談室を利用していた48名と、名前と連絡先が未記入であった29名を除いた567名をアウトリーチ活動の対象とした。
アウトリーチ活動の結果の内訳は、面談後継続相談につながった学生が59名(10.4%)、呼出の面談のみで終了した学生が188名(33.2%)、来談を希望されず電話だけで状態を確認した学生が147名(25.9%)、確認できなかった学生が173名(30.5%)であった。
今後は、回答データの研究利用に同意した学生4174名(79.7%)を対象として、特にハイリスクと判定された学生の特徴について、生活習慣や学生生活における困り事との関連を中心に分析を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

全学部生を対象とした「こころの健康調査」に基づく臨床実践は平成28年度から行っており、平成29年度の「こころの健康調査」の実施については、その準備から実行段階に至るまで順調であった。しかしながら、平成29年度の研究において、当初予期していなかったことが2つ起こった。
第一に、本調査の結果として、心理支援を要する可能性があると判定されたアウトリーチ活動の対象学生数は567名となり、平成28年度の393名と比較すると1.44倍という予想外の増加があった。そのため、まずはその臨床実践上の対応を行う必要があった。アウトリーチ活動対象学生の増加により、それに付随する業務(学生への電話かけと折り返し電話や来室への対応、呼び出した学生の面接、呼出面接から継続した相談につながった学生への支援等)も増加したため、計画当初の予定よりもアウトリーチ活動にかかる期間が長期化せざるを得なかった。
もう一つの不測の事態として、カウンセラースタッフ1名が体調不良により年度半ばから長期間の療養に入ったため、年度の後半はカウンセラー1名欠員という状況で学生相談室を運営しなければならなくなった。また、そのカウンセラーが行った呼出面接の結果については未整理のままとなり、データに手を付けることができない状況が生じた。
結果として、平成29年度分の調査データの収集は順調に行えたが、その結果の分析作業が遅れている。平成30年度分についても、「こころの健康調査」自体は順調に行なえていることから、データ収集における問題はない。今後は遅れている分析作業を進めていくことが優先課題である。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度については、平成29年度同様、またはそれ以上にアウトリーチ対象の学生数が多いことを想定して、対策を考えた。第一に、4月から7月上旬に行うアウトリーチ活動のために、短期間のアルバイトを雇い入れ、カウンセラーがより面接業務に力を注げるようにした。平成29年度予算の物品費と旅費より捻出し、4月から2名のアルバイトを入れるための人件費を計上し、昨年度に比べて順調にアウトリーチ活動を進行することができている。
第二に、長期療養していたカウンセラーが実施した呼出面接結果のデータについては、欠損として処理することで、今後の分析を進めていく判断をした。4月から7月頭までは本調査と通常業務を併せた学生対応が中心となるため、結果の分析については、7月後半から8月に集中して作業を進めていく予定である。

Causes of Carryover

【現在までの進捗状況】で述べたように、「こころの健康調査」実施の結果としてアウトリーチ活動の対象となる学生数が予想以上に増加したため、急遽その対応のための人材確保が必要となった。この経費は、平成29年度の助成金の一部を平成30年度の人件費に充てることで対応した。平成31年度も同様の状況が予想されることから、現時点では、平成30年度獲得分の一部を調整して、平成31年度の人件費として使用する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 北里大学相模原キャンパス全学生対象「こころの健康調査」アウトリーチ活動の実践2019

    • Author(s)
      山田裕子・石塚昌保・大町知久・河原久美子・田中あゆみ・山崎綾乃・坂井清香・守屋達美
    • Organizer
      第55回全国大学保健管理研究集会
  • [Presentation] 全学的「心の健康調査」から探る大学生ハイリスク群の特徴―主に学年間の差異に着目して―2019

    • Author(s)
      山田裕子・石塚昌保・大町知久・河原久美子・田中あゆみ・山崎綾乃・坂井清香・守屋達美
    • Organizer
      日本心理臨床学会第36回大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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