2018 Fiscal Year Research-status Report
Psychological and physiological effects of a loving-kindness and compassion based cognitive behavior therapy.
Project/Area Number |
17K04453
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
有光 興記 関西学院大学, 文学部, 教授 (10341182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンパッション / マインドフルネス / 肯定的感情 / 社交不安症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,社交不安症に対する認知行動療法を実施する際に,慈悲の瞑想を追加した場合により大きな症状改善が見られるかを検討することであった。 平成30年度は,昨年度に開発したプログラムへの参加者を,SNS,フリーペーパー,バス広告を使用して募集した。その中で,面接によって社交不安症の診断基準を満たし,社交不安症が主な症状であり,現在精神疾患に関する投薬を受けておらず,統合失調症,双極性障害の症状を持たず,自殺念慮がなく,抑うつの尺度(BDI)の得点が30点未満の参加希望者のみを実際の参加者とした。 これまでに210名の応募者と56名のアセスメント通過者を得た。そのうち,参加基準をクリアしたものを対象に,効果検証を実施中である。トレーニングの参加完了者が分析に必要な48名に満たないため,来年度もこのプログラムの効果検証を継続する必要がある。 また,プログラムの改善点をより明確にするため,大学生を対象に,スピーチ場面でセルフ・コンパッションとマインドフルネスを高める教示法を操作する実験,またマインドフルネスとマンドワンダリングを区別して教示する方法を操作する実験を行い,不安低減効果のある教示法について検討した。その結果,慈悲の瞑想の方がマインドフルネス瞑想の教示よりも,スピーチ場面の生理的覚醒を低下させる可能性,マインドワンダリングの教示だけではマインドフルな状態を継続できない参加者がおり,マインドワンダリングと同等の効果しか得られないことが明らかとなった。 現在,臨床試験と実験で得られた知見を統合し,プログラムの中でも教示を工夫し,不適応行動に焦点を当てるセッションを複数回導入したプログラムを開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,プログラムへの参加者募集を継続して実施し,多くの参加者を得たが,辞退者もあり,目標人数には達しなかった。プログラムを改善するために,慈悲とマインドフルネスの教示を比較検討する必要も生じたため,実験を行う必要があった。そのため,研究計画自体は順調に進んでいるが,実験の進捗状況については当初の予定よりも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の早期に待機群を設けた臨床試験は完了できる予定である。その後,当初の予定では,認知行動療法単独実施群と慈悲の瞑想と認知行動療法を組み合わせたプログラムの比較対象試験を行う予定であった。しかし,現状のプログラムで要改善点も見つかっており,それを修正したプログラムを開発する予定である。平成31年度については,新たなプログラムのパイロットスタディの実施とプログラムの検討で終了せざるを得ないと考えている。
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Causes of Carryover |
プログラムへの参加者募集や研究協力者への謝金については,おおむね予定通りに支出を行った。ただし,研究の進捗によってアメリカでの発表を実施しなかったため,余剰が出た。次年度において,ヨーロッパ出張を予定しており,その分で使用する計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Examining the factor structure of the Self-Compassion Scale in 20 diverse samples: Support for use of a total score and six subscale scores.2019
Author(s)
Neff, K.D., Toth-Kiraly, I., Yarnell, L.M., Arimitsu, K., Castilho, P., Ghorbani, N.R., Guo, H.X., Hirsch, J.K., Hupfeld, J., Hutz, C.S., Kotsou, I., Lee, W.K., Montero-Marin, J., Sirois, F.M., Souza, L.K., Svendsen, J.L., Wilkinson, R.B., & Mantzios, M.
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Journal Title
Psychological Assessment
Volume: 31
Pages: 27~45
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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