2019 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological and physiological effects of a loving-kindness and compassion based cognitive behavior therapy.
Project/Area Number |
17K04453
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
有光 興記 関西学院大学, 文学部, 教授 (10341182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンパッション / マインドフルネス / 肯定的感情 / 社交不安症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,社交不安症に対する認知行動療法を実施する際に,慈悲の瞑想を追加した場合により大きな症状改善が見られるかを検討することであった。 本年度は,昨年度より継続して,社交不安症の診断基準を満たす成人を対象にトレーニングを実施し,すべてのトレーニングを完了した。SNS,フリーペーパー,バス広告を通じて募集し,社交不安症の症状などを質問する電話スクリーニングの後,対面のアセスメントを実施し,参加基準に満たすかを判断した。合計で259名の応募があり,85名が電話スクリーニングをクリアし,アセスメントでは74名が参加基準をクリアした。グループは合計10実施し,合計で介入群,待機群ともに28名の完了者を得た。現在,主要な指標である社交不安症状の得点を従属変数として分析を行っているが,まだ完了していない。本年度中に研究発表を実施する予定にしている。 また,本研究で実施したプログラムにおいて,怒りの扱い方が難しいことが度々報告されていた。そこでプログラムの改善点を探るため,怒りの経験に対するセルフ・コンパッションとマインドフルネスの効果を調べる実験を行った。怒り経験を想起する課題と怒りを感じさせるPC課題を用意し,セルフ・コンパッションとマインドフルネスの教示によって怒りが低減されるかを検討した。実験の結果,想起した怒り経験については,両条件ともに一定の効果があったが,PC上で行う鏡映描写課題でのイライラ感については教示の効果が認められなかった。以上は先行研究と異なる結果であり,本研究で使用した教示には改善の余地があることが示唆された。本課題では不安症状をターゲットにしているが,今後は怒りにも焦点を当てた教示ならびにプログラムを検討していく必要性があると考えられる。
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Research Products
(4 results)