2020 Fiscal Year Research-status Report
失語症者のためのCAT日本語版作成および信頼性と妥当性の検討
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17K04454
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
吉畑 博代 上智大学, 言語科学研究科, 教授 (20280208)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 失語症 / 評価法 / 質問紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イギリスで開発された失語症検査Comprehensive Aphasia Test(以下、CATと称す)の日本語版作成(以下、JCATと称す)を目指している。 今年度も、CAT作成者とメールを利用した情報交換を行いながら、日本の文化や社会的背景、使用語彙などを考慮して、日本の失語症者に使用可能なように、各下位検査の検討を進めた。CAT・JCATには、大きくは①「認知機能スクリーニング検査」と②「言語機能検査」がある。①「認知機能スクリーニング検査」には、意味記憶や語想起、再認記憶などが、②「言語機能検査」には、聴理解、読解、音読、呼称、書字、情景画説明などの下位検査が含まれる。いずれの下位検査においても、現段階で、刺激語彙や刺激文が定まった。またそれらの刺激をイラストにした、予備調査用の検査図版もほぼ完成した。記録用紙についても、その内容が概ね定まった。またCAT・JCATに含まれる、失語症当事者自身が「ここ1週間」の気持ちを回答する、③自記式アンケートについても、イラストを取り入れたアンケート用紙と、記録用紙が、完成済みである。 しかし、新型コロナウィルスの感染拡大のため、人との接触が制限され、失語症者や健常高齢者を対象とした予備調査を実施することができなかった。経験豊富な言語聴覚士らに、検査図版や記録用紙の使いやすさを検討してもらうこともできなかった。現在、予備調査の実現を目指し、予備調査用マニュアルや記録用紙、検査図版の整合性などについて、更なるチェックを実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
失語症者や健常高齢者を対象に、予備調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大のため、人との接触が制限されており、予備調査を実施することができなかった。また関連する各種学会や学術講演会も中止になり、情報収集を行うことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査実施に向けて、予備調査用マニュアル、記録用紙、検査図版の使いやすさや、その整合性のチェックなどを進める。その後に、失語症者や健常高齢者を対象として予備調査を実施するとともに、経験豊富な言語聴覚士にも協力を仰ぎ、検査図版などを見てらもい、使いやすさなどを検討してもらう計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大のため、人との接触が制限され、予備調査を行うことができなかった。そのため、予備調査用として掲げていた、人件費や謝金を支出することができなかった。また、情報収集を行う予定にしていた各種学会や学術集会は、中止またはオンラインとなり、旅費を支出することがなかった。予備調査の依頼のために、計画していた旅費の支出もなかった。 今後は、予備調査の実施に向けて、人件費や謝金を支出する予定である。各種関連学会や学術講演会にも参加する計画であるが、今後の感染拡大の状況によって、判断する必要性があると思われる。
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Research Products
(1 results)