2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床心理士による自然災害時の被災者・避難者団体に対するアウトリーチ支援の検討
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17K04455
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
原田 眞理 玉川大学, 教育学部, 教授 (90459298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田一 賢顕 玉川大学, 教育学部, 非常勤講師 (50626926)
新井 雅 跡見学園女子大学, 心理学部, 講師 (80750702)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臨床心理士 / アウトリーチ活動 / 避難者 / 交流会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、様々な自然災害における被災者・避難者に対する交流会等での団体支援経験(アウトリーチ活動)を有する日本の臨床心理士の実践知に焦点 を当てながら、より効果的で有効な役割や機能について質的・量的データに基づいて実証的に検討することを通して、臨床心理士による支援モデルを構築することである。 初年度は、これまでの予備調査をもとに、(1)避難者から求められた役割・活動、(2)実際に臨床心理士が活動した役割、(3)団体の変遷から求められた役割・働きという3つの視点から「自然災害に伴う団体支援で求められる臨床心理士の役割・働き」を明確にし、それらを項目化し、質問紙を作成、検証を行うことであった。 質問紙の項目の作成段階において、予備調査のデータの再分析および再検討をしたところ、被災直後に比べて支援者の減少傾向が見受けられた。そのため当初予定していた対象数を確保することが難しくなったため、統計の方法をコンセンサスメソッドの一つであるデルファイ法に変更した。そのため、質問紙の項目自体を再度検討し、上記(1)~(3)の視点をまとめ同意を求めるアンケート項目を作成した。 今年度はアウトリーチ活動による交流会参加経験のある臨床心理士12名(交流会参加継続年数min3年-max7年)としデルファイ法を実施した。1回目のデルファイの結果を研究者4名で分析し、同意率80%以下の項目を自由記述に記載された意見を反映し項目を修正し、2回目のデルファイ調査を実施した。 その結果から、研究者4名でフィールドノーツを作成し、交流会参加した協力者に記入を依頼し、各項目の実践的な効果を確認している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析方法をデルファイ法に変更したことで、若干の遅れが出たが、現在フィールドノートによるアクションリサーチの段階に入っているため、最終年度中に、臨床心理士によるアウトリーチ活動についてのマニュアル作成には十分の時間が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施中のフィールドノートを元に、各項目の実践可能性を研究者4名で確認・分析し、臨床的有用性を明確にする。その後臨床心理士による交流会支援の際に役立つマニュアルを作成し、臨床心理士全体に共通する部分をベーシックとし、また交流会に必要な部分をアドバンスとして、臨床心理士に求められる「役割・活動」のモデルチェックリストを作成する。交流会における心理職の活動について2019年10月開催予定のISTSS 35th Annual Meetingのポスターセッションに演題を提出してある。
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Causes of Carryover |
2年目に、作成予定であった冊子の費用を計上してあったが、統計方法をデルファイ法に変更したため、フィールドノートによるアクションリサーチが先行することとなり、3年目に冊子の作成が延期されたことが理由である。3年目に冊子を作成する計画である。
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Research Products
(3 results)