2019 Fiscal Year Research-status Report
社交不安症におけるビデオフィードバックの妨害要因と効果向上に関する研究
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17K04463
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
城月 健太郎 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (50582714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 睦宏 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80282614)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビデオフィードバック / 社交不安 / 認知行動療法 / 不安 / 心理療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究は、第一に、社交不安に関するビデオフィードバックに関する実験的研究を行い、第二に、社交不安症患者に対する認知行動療法プログラムに関する効果研究を継続して実施していた。また、これらに関与する、社交不安に関する認知バイアスの機能についての研究も並行して実施した。
ビデオフィードバックに関する実験的研究においては、①通常のビデオフィードバックを行うグループと、②事前にビデオ映像に関するイメージの変容を進める認知的介入を行うグループの2群を設定し、スピーチ課題の自己評価に違いがあるかどうかの比較検討を行った。分析の結果、ビデオ映像に関する否定的解釈の変化量を共変量に設定した分散分析を行ったところ、スピーチの自己評価について交互作用が認められ、②の群のほうが自己評価の改善が大きかった。そのため、ビデオフィードバックを行う前に、自己のビデオ映像に関するネガティブなイメージが改善していることにより、自己評価の変化が大きいことが示唆された。
また、社交不安症患者に対する認知行動療法プログラムに関しては、現在対象者を募集しつつ実践を進めているところであるが、現状で10名程度に対して実施を終えている。従来の研究と同様に、コストバイアスの低減が社交不安症状の改善に関係する可能性が示唆されている。次年度についても、さらに実施を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施についてはおおむね計画通り進行しているが、介入プログラムの参加者については継続して募集している段階である。これまでに、一定期間対象者の確保が難しい時期があったことから、次年度についても継続して対象者を募集することで、この点を解消するように努める。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については、これまで実施している実験研究と介入プログラムを平行して継続実施する予定である。基本的には対象者をより多く確保することが必要であるため、多くの参加者を募集するとともに、必要となる補足的な研究を行う。
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Causes of Carryover |
社交不安症に対する認知行動療法プログラムや実験研究を実施しているが、次年度以降にも研究実施・参加者募集ならびに対象となる研究の公表を進めるため、それらに関する費用について支出を行う予定である。
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Research Products
(7 results)