2018 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Acceptance and Commitment Therapy (ACT) for reducing distress and enhancing quality-of-lie in family caregivers for dementia
Project/Area Number |
17K04471
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
武藤 崇 同志社大学, 心理学部, 教授 (50340477)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 認知症介護 / 家族介護者 / 介護負担感 / ストレス / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / ACT / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,認知症高齢者を介護する家族の負担感の軽減とQOLの拡大に対する「日本版ACT(Acceptance and Commitment Therapy)プログラム」の効果を検討することである。その効果検証は,「実証に基づくトリートメント」の開発の方法論に則り,事例研究,一事例の実験デザインによる研究,オープン試験(群間比較)というプロセスで行う。 本年度は,ACTプログラム(プロトタイプ)の実施とその評価をすることを目標とした。プロトタイプは,McCurry(2006)の家族介護者向けの支援プログラムである「DANCE」と呼ばれるトリートメント・モデルに,ACTの内容を組み入れて開発された。プログラムは,6-12回の個別の短期療法と3回(1ヵ月単位)のフォローアップで構成された。測度については,アウトカム測度として,1)Zarit 介護負担尺度日本語版の短縮版 (J-ZBI_8;荒井ら, 2003),2)GHQ 30精神健康調査票(中川・大坊, 1985),3)WHO-QOL26(田崎・中根, 1997)とした。研究参加者は,地域のフリーペーパーにて募集し,選定基準や同意が得られた介護者5名が,研究参加者として,当該ACTプログラムのプロトタイプに参加した。その結果,5名中3名に対して効果が見られた。5名の結果を統合した統計的分析の結果においても,中程度に有意な効果が見られた(p=0.0028, Tau-U=0.56 (95% CI[0.226, 0.901))。この結果は,Associtation for Contextual Behavioral Science の国際学会(カナダ,モントリオール)にて発表された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象となる基準を満たす研究参加者数が少なく,オープン試験実施に遅滞が生じている。さらに,介護負担感の高低は,認知症の家族が抱える各種の問題行動(BPSD)における重篤さや頻度に依存することがあり,参加者の状態の均質性を確保することが難しい。
|
Strategy for Future Research Activity |
家族介護者が援助提供施設に出向くことができないため,遠隔ビデオ通話などのインフラを使用することを検討している。また,BPSDそのものに対する介入支援方法の実施方法も,プロトコルにさらに付加させることも検討している。
|
Causes of Carryover |
執行はほぼ予定通りであった。 当該使用額は,外国旅費として組み込む予定である。
|