2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multi-tiered psychosocial support for the needs of bereaved families and verification of its effectiveness
Project/Area Number |
17K04474
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
坂口 幸弘 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00368416)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 死別 / 悲嘆 / 遺族ケア / サポートグループ / ホスピス / 保健所 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、過年度に引き続き、豊中市保健所でのグリーフケア事業に協力し、その効果を検討した。今年度の新規の取り組みとして、グリーフケアの普及啓発と遺族のアクセスビリティの向上を目的として、短編の動画を作成した。 研究期間全体を通じて、得られた主な成果は以下の通りである。 研究1「遺族のニーズやリスクを把握するためのアセスメント方法の検証」として、Bereavement Risk Assessment Toolの日本語訳版を用いて、サポートグループへの参加遺族に対する支援者によるリスクアセスメントと、当該遺族を対象とした質問紙調査を実施した。遺族30名のうち、リスクレベル1(リスクは無い)は16名、2(最小リスク)は7名、3(低リスク)は2名、4(中リスク)は5名、5(高リスク)は0名であった。リスクレベル4の遺族において、複雑性悲嘆と抑うつの高リスク者の割合が有意に高いことが示された 研究2「多層的な心理 社会的支援の実施に向けての現状と課題の把握」として、救命救急センター149施設のうち、遺族支援を実施していたのは17.9%で、専門家の紹介や冊子の配布などを行っていた。ホスピス・緩和医療領域では、222施設から回答が得られ、遺族支援を行っていたのは63.5% で、COVID-19の影響で現在は休止中が18.9%であった。 研究3「さまざまな場での多層的な心理社会的支援の効果の検証」として、豊中市保健所でのグリーフケア事業についての効果を検討した。わかち合いの会は、コロナ禍で休止を余儀なくされたが、現在も継続して実施している。2012~2018年度の成果として、参加者数は延べ100名で、平均年齢は63.4歳であった。参加遺族を対象とした質問紙調査では、回答者の61%にうつ病の疑いが認められた。「他の人も同じように悲しみを抱えて生きていることがわかった」などの感想も寄せられた。
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Research Products
(11 results)