2019 Fiscal Year Annual Research Report
The studies on acceptance technique for stress management
Project/Area Number |
17K04476
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
松本 明生 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (30406897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ACT / ストレスマネジメント / 行動分析学 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアクセプタンス方略が大学生の日常ストレス反応の低減に有効であるかを検証することであった。研究手続きの大枠は,大学生を対象として合計10回の面接・トレーニングを行う研究参加への同意・説明の実施と,体験の回避に関する心理教育(体験の回避方略を用いることがストレス反応をもたらすことの説明)を行ったのち,参加者が経験しているストレス場面に対して,アクセプタンス方略適用の体験を面接場面で実施するというものであった。
本研究では3つの質問紙をアセスメントツールとして使用した。1つめは体験の回避を測定する10項目の心理尺度である。この尺度は「主観的な苦痛を体験しながらも,自己が持つ志向や価値に向かって行動する傾向」を示すAction尺度と,「思考や感情などを制御・回避・変容しようとしない傾向」を示すWillingness尺度の2つで構成されている。2つめは心理的ストレス反応尺度である。これは心理的ストレス反応を測定する18の質問項目からなりたっている。3つめは短縮版大学生用日常生活ストレッサー尺度であり,大学生活で生じうるストレスとなる出来事を示す23項目からなっている。
5名の大学生が本研究に参加し,全員がすべての研究セッションに参加した。全体としての結果は介入を行わないベースラインと比較して,ポジティブな変化(体験の回避,ストレス反応,ストレッサーの低減)が見られたものの,その効果の大小は参加者間で異なっていた。本研究の結果は,これまでの2年間で行った体験の回避とストレス反応との関連の調査研究を元に実施され,体験の回避への介入アプローチがストレス関連指標の低減を示唆するものであった。本研究はそれらの結果をおおむね支持するものであった。
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