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2021 Fiscal Year Research-status Report

Mechanisms for circle distortion illusion induced by flash presentation

Research Project

Project/Area Number 17K04498
Research InstitutionTohoku Gakuin University

Principal Investigator

櫻井 研三  東北学院大学, 教養学部, 教授 (40183818)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords錯視 / フラッシュ呈示 / 図形変形
Outline of Annual Research Achievements

これまで円図形の変形錯視は長時間観察による順応で生起する一種の残効と考えられていた (Ito, 2012; Khuu, McGraw,& Badcock, 2002)。本研究では,この図形変形錯視と同様の知覚が,円図形とそのグラデーション図形を交替させるフラッシュ呈示により短時間で生起することを確認し,「ポリゴン化効果」と名付けて,その生起機序の解明を目指している。
計画を延長して5年目に入った2021年度もコロナ禍で実験施設の利用が困難な状況が続き,参加を予定していた国際学会もオンライン開催となり,研究活動による海外出張はできない状態が続いている。そこで2021年度は,2020年度までに進めた活動をもとに,図形変形錯視と同時に生起することがある見かけの回転運動を説明する修正モデルを構築し,2022年1月の日本視覚学会冬季大会で発表した。見かけの回転運動は短時間で円図形がやや丸みを帯びた角を持つ多角形に変形した際に,緩やかに回転して知覚される現象である。特定の曲率で曲線的に並んだ小さな線検出器群からなる曲線検出器の出力の組み合わせで円が知覚されるなら,この図形変形錯視の直線部分が知覚されるのは曲線検出器が順応することでより直線に近い低曲率の曲線検出器の出力が相対的に強くなる結果であると説明できるが,丸みを帯びた角の部分の形成過程は説明できない。修正モデルでは,1)隣接する曲線検出器同士では逆方向の曲率の出力が順応後に相対的に強くなる,かつ2)それらの逆方向の出力はフラッシュ呈示でトリガーされ振動(交替)する,という2つの制約条件を付与した。これにより丸みを帯びた角の部分が形成されると同時に,多角形の位相(角の位置)はフラッシュごとに変化するため,仮現運動が生じて回転が知覚されると説明できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究計画では,この図形変形錯視(ポリゴン化効果)の生起機序の解明を目的とし,ポリゴン化効果が先行研究の長時間観察での順応にもとづく図形変形錯視と同じメカニズムに依存するか否かについて,以下の3点を中心に年次計画で研究を進めている。第1点は,静止円を凝視させた場合と,グラデーション図形との交替呈示を観察させた場合の,円図形変形錯視の生起潜時の比較(2017年度)である。第2点は,円図形変形知覚を誘導するグラデーション(円図形の輪郭と対になる灰色領域)のバリエーションの検討と刺激呈示眼の操作による生起部位の検討(2018年度)である。第3点は,Curvature 検出機構モデルおよび受容野モデルによる説明の可能性の検討(2019年度)である。このポリゴン化効果を説明するモデルの構築に必要な追加実験を計画したものの,論文の作成に十分なデータが取れないまま,コロナ禍で研究活動の中断を余儀なくされている。ゆえに,研究全体の進捗状況は「遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

当初の研究計画を3回延長して6年目となる2022年度は,コロナ禍の状況を見据えながら補足データを収集する機会を伺う。また,Curvature 検出機構モデルおよび受容野モデルによる説明の可能性の検討をおこない,これまでの実験結果をもとに,研究成果の論文化を目指す。第1のモデルとして,Curvature検出機構そのものが曲線的に並んだ小さな線検出器の集合である可能性が考えられる。第2のモデルとして,そのような機構の出力とより大きく長い線検出器の出力との関係でポリゴン化効果が生じているという説明も考えられる。最近,第3のモデルとして曲線に順応した結果,ある特定範囲で曲率が高くなる方向と低くなる方向のふたつの出力が振動し,それによって見かけの回転運動が生じる修正モデルを提案した。これらの可能性を検証する実験を実施し,その結果からポリゴン化効果の説明を試みる。

Causes of Carryover

コロナ禍で予定していた補足データの収集ができずに投稿論文の準備が遅れ,論文掲載料の相当額が使用されずに残ったことが理由である。研究期間を1年延長した2022年度の研究費は主に論文の投稿と掲載費用に充てる計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 図形変形錯視の見かけの回転運動を説明する修正モデル2022

    • Author(s)
      櫻井 研三
    • Organizer
      日本視覚学会2022年冬季大会

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Published: 2022-12-28  

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