2017 Fiscal Year Research-status Report
認知負荷と回避動機づけに注目した欺きの認知過程の解明
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17K04513
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
松田 いづみ 科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (80356162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入戸野 宏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (20304371)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 欺き / 回避動機づけ / 隠蔽 / 脳波 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,生理指標から,欺きと認知負荷・回避動機づけとの関係を調べた。実験参加者24名に,ある写真を覚えさせた。その後,覚えた写真を含んだ5枚の写真をくりかえし提示した。覚えた写真について,それを隠そうとする条件,伝えようとする条件,何もしない条件を設定した。実験中は脳波を測定した。 写真を知っていることを隠そうとしたときも伝えようとしたときも,写真提示から0.5秒以降に,前頭部陰性のslow waveが生じた。何もしない条件では,slow waveは生じなかった。このslow waveは認知負荷と対応することが,先行研究で示されている。隠そうとしても伝えようとしても,認知負荷が高まることが示唆された。 さらに,前頭部陰性slow waveの左右差に注目した。Slow waveは,隠そうとすると右前頭部でより陰性になり,伝えようとすると左前頭部でより陰性になった。このslow waveの電源は,隠そうとしたときは右前頭部に,伝えようとしたときは左前頭部に推定された。一般に,右前頭部の優位性は回避動機づけと対応し,左前頭部の優位性は接近動機づけと対応することが知られている。隠そうとすると回避動機づけが生じることが示唆された。 以上の結果から,知っていることを隠そうとすると,認知負荷が増大し,回避動機づけが生じることが示唆された。一方で,伝えようとしたときも同様に認知負荷が増大するが,接近動機づけが生じることが示唆された。動機づけの方向性は,欺きの意図を検出するための手がかりになる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第二子の産休・育休を取得したため。4~9月は勤務せず,10月以降は週3日での勤務であった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,行動指標から,欺きと認知負荷および回避動機づけとの関係を調べる。すでに行動指標を用いた実験の予備的検討をはじめている。
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Causes of Carryover |
産休・育休を取得しており,計画していた物品の購入に至らなかったため。この物品は次年度に購入する。
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Research Products
(1 results)