2019 Fiscal Year Annual Research Report
Deception research focusing on cognitive load and withdrawal motivation
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17K04513
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松田 いづみ 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (80356162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入戸野 宏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (20304371)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 隠蔽意図 / 覚醒 / 時間知覚 / 隠匿情報検査 / 回避動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は隠蔽意図が時間知覚に与える影響を調べた。一般に,覚醒を高める刺激や回避傾向を引き起こす刺激は,提示時間が長いと感じられることが知られている。また,隠匿情報検査の研究から,事件に関連する刺激は,高い覚醒と回避傾向を引き起こすことが示唆されている。したがって,事件に関連する項目の提示時間は長く感じられると予測した。 以下の実験の結果を分析した。36名の実験参加者に,3種類の物品(窃盗した物品1つと同じカテゴリーの別の物品2つ)の写真をランダムな順序で1枚ずつ提示した。参加者は,各写真の提示時間を,基準となる時間と比べて「長い」「同じ」「短い」の3択で判断した。 模擬窃盗を行った条件では,模擬窃盗を行っていない条件に比べて,すべての物品の提示時間が長く知覚された。模擬窃盗を行った条件では行っていない条件よりも皮膚コンダクタンス水準が高かったことから,条件間の持続的な覚醒度の違いが時間知覚に影響を与えた可能性が示唆された。一方で,窃盗した物品が,同じカテゴリーの別の物品よりも長く知覚されるという結果は得られなかった。これは,窃盗した物品に対しては,参加者は刺激の提示時間の判断とともに,生起する生体反応を抑制する処理も行う必要があったためだと考えられる。 研究期間全体を通じて,なにかを隠そうとするときの認知過程は,隠す対象に対する評価と,隠す意図に関連する認知的制御の2過程にわける必要があることがわかった。また,前者は接近傾向・後者は回避傾向を引き起こす可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)